だい

にがい米のだいのレビュー・感想・評価

にがい米(1948年製作の映画)
3.5
1949年のイタリア映画って言われたらさ、
バッッリバリのネオレアリズモで、
当時の農村の大変な現実を描いた暗い社会派映画だよな。

と思い込んでたら全然違った!!!!

女性たちが出稼ぎに来る大規模農場が舞台のノワール。

相当たくさんのノワール観てきたけど、
農場ノワールは新しい気がする。
ファーム・ノワール。
フィルム・ノワールと語感が似てるから、
合わないわけがないのだ。


ってか、
日本人にとって稲作の現場といったら、
自分の田圃だったり、
自分のじゃなくてもまあ、小作人何人かでやってるとか、
せいぜいそんなイメージだから、
100人くらい出稼ぎに来るような大規模稲作が新鮮すぎる!!!!

この当時のアメリカの映画に出てくる綿花栽培に似てる。

そこで安賃金で雇われる小作人たち。
そう考えると口分田の制度ってすごくね?


ってか、出稼ぎに行くの女性だけなの何でなんだぜ?

冒頭のナレーションで、
これは女性にしかできない労働なのだ!
って言ってたけど、

いやむしろ体力勝負だから男がやるほうがいいだろ。


昔ベトナムを放浪してた時に、
ベトナムは女性が働き者です!
男性は働きません!
って現地の人に言われたけど、

イタリアも一緒やんな。

男の存在価値とは?


クライムドラマという本筋の中でさらっと当たり前として描かれているアレコレが、
当時のイタリアの価値観とか環境とかがより伝わってきてネオレアリズモより好き。

女性は強しなのだ。
男も負けないように生きようぜ。
だい

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