退廃の街ラスベガスを舞台に
アルコール依存症の男と娼婦の短くも激しい愛の姿を綴る最高に美しいラブストーリーです。
互いの人生がどれ程歪んでいようとも求め合う2人。
その成就の結末は言わずとも見えています。
見えているにもかかわらず
正統派の物語を見せ切る凛とした姿勢に感動です。
観る人によっては
”ただ堕ちてゆくだけの逃げの恋”
に思えるかもしれませんが
そうじゃないんです。
既に堕ちてしまった後に出会った恋が
真実の愛だった…
ただ、それだけの事。
堕落的、荒廃的な描写の中で
お互いの体と心を求めあう
傷ついた者同士のセックスは
これ以上ないほど美しく表現されています。
恋愛は自分中心になりがち。
でも愛することは相手を大切に思いやる無償の想いの結晶。
私のために生きてほしいということは簡単。
でも、目の前の人が幸せを感じるために自分はどうすれば良いかを深く感じるのが真実の愛。
あまりにも繊細で深い感受性の世界を
この作品はみせてくれます。
ジャズの名曲
「マイワン&オンリーラブ」
「エンジェルアイズ」が
これほど似合う作品はありません。
そして、ニコラスさんの演技が素晴らしい。
目が完全にアル中の目!
逝っちゃってます。
私のニコラスさんベストです。