KINOKO

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のKINOKOのレビュー・感想・評価

4.5
ドランが描く作品は、「母と子」の関係性や「性的指向」の葛藤、”ありのままでいいんだ”というテーマが多い。
今までの作品はどちらかといえば変化球だったが
今回の作品は、わかりやすく真っ直ぐな感じ。


『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』でみせたカラフルさであったり、画角を変化させたりといった突飛な映像表現はなかった。
奇をてらわずとも映画を撮れるという自信の表れなのかな。


Bitter Sweet Symphonyを映画館の音響で全身に浴びれて大満足。
相変わらず、音楽の使い方も天才。


ラストは清々しく爽やかで
希望に溢れた感動のエンディングだった。
この終わり方すき。

セクシャリティから来る生き辛さと同時に
ありのままの自分に素直に生きることの大切さを教えてくれる。
なんでもないシーンでもってかれて、涙が溢れる。


タイトルが「生と死」ではなく「死と生」。

最後の質問に対する答えの手がかりがこの言葉の順番にあると思う。


ラストの少年への手紙はグリーンのインクで書かれていた。
確か、グリーンのインクで書く手紙の意味は、さよならだと聞いたことがある。

色んな余韻が残った。

ドランらしくない作品として、賛否両論あるみたいだけど
私は1番彼らしいなと思った。
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