2018年サンダンス映画祭で脚本賞を受賞したスリラー系の映画(本当は完全にヒューマン系)。
嘘をつくことでしか人と関わりを持てない孤独な女性が
30年前に子供を誘拐された夫婦に、顔が似ているという理由だけで接触し
嘘をついてまで家族になろうとする物語。
ありがちな成り代わりサスペンスかと思いきや
すぐバレるウソや
ありもしない希望にすがらなければ自分を保てない孤独な人々がそれぞれの一歩を踏み出すまでの物語だった。
この映画の何が悲しいかって
ナンシーも30年前に娘を誘拐された夫婦も
みんな赤の他人だと本心では分かっているところ。
30年間娘を探し続け、やっと自分たちの元に戻ってきたかもと思った女性が他人だと分かった絶望や諦め、他人でもいいから娘に似たナンシーを本当の娘だと思いたい夫婦の気持ちが本当に切ない。
猫がいなくなった時のナンシーの姿こそ、本当の姿。
猫を探すナンシー、
そのナンシーを探す母。
痛かった…
言葉は少ないけど、映像から色んな感情が伝わってくる。
すごく地味な作品だけど、私はひきこまれた。
ブシェミがでてるから余計観たくなったんだけど
今作のブシェミはブシェミらしさ全くなし。
気づかないレベル。
こんなブシェミ初めてで新しい魅力を発見した(笑)。