東京国際映画祭
日本映画クラシックス
『人情紙風船』
山中貞雄の遺作であり、後世に語り継がれる大傑作。
貧困と悲劇のループは昔から変わらず存在する。二人の運命が重なる最後にやっとタイトルの意味を悟る…。紙風船のように脆く儚い人生とは何なのか、生きるとはどういうことなのかと虚無感に苛まれた。軽やかなテンポで話が進んでいくため、テーマの重さに押し潰されることはなく、深い余韻に浸ることができるバランスも見事。東京国際映画祭で初めて山中貞雄監督の作品に出会ったが、もっと彼の作品を見たかったと心から思わされた…
(鑑賞者:あみ)