すずき

4匹の蝿のすずきのレビュー・感想・評価

4匹の蝿(1971年製作の映画)
3.6
主人公ロベルトは付きまとっていた謎の男に問い詰めようとした所、不慮の事故で殺してしまう。
そしてその殺人の瞬間を、不気味な仮面を付けた男に撮影される。
それからというもの、家には何者かが侵入し、脅迫めいた書置きが残されるが、金は要求されない。
妻ニーナも心配する中、ある日家政婦が殺されたとの報を受ける…

ダリオ・アルジェント監督作品初鑑賞。
血みどろな映像を撮る監督、というイメージだったけれど、この作品はほとんど血は出なかった。

演出やカメラワークが非常に凝ってて、その独特の美しい映像に、ダリオ監督のセンスのよさを感じた。だけどそれがまた不気味だったり。
そして音楽はモリコーネ!ドラムソロの使用法がセンスいい!やっぱり不気味!

意外だったのは、コメディめいたキャラクターや演出も多用してる所。
ホモでオネエの探偵とか、通称「神」と呼ばれる物知りホームレス(登場シーンには賛美歌)とか、キャラ濃すぎるでしょw

ネットのレビュー見てるとよく言われてるのが、トリックや動機の滅茶苦茶さ。
だけど、別に推理ミステリーじゃないし、サスペンスとして面白いから問題無しだ。
まあ犯人の正体は普通過ぎて、もう一捻り、一波乱あっても良かったが…。

しかし、某映画雑誌の評論で、
『映画史上最高の“事故”が起きるのだ。それがいつ、どのタイミングで起きるかは実際に見て体感してもらうしかない。』
との随分思わせぶりな書き方に惹かれて見たのだけれど、期待してたのとはちょっと違った。
映画の最中、突然に想像もつかない「事故」が起きるのかと思ったら、「デス・プルーフ」ばりの凄惨な交通事故が、意外でもないタイミングであるだけだ。
自分の勝手な想像とは違ったとはいえ、その事故シーンの美しさは折り紙付きなので、期待外れでは無かった。

あ、あとこの映画で1番怖いシーンは予告編。「シャイニング」もそーだったねー。