HK

独立愚連隊西へのHKのレビュー・感想・評価

独立愚連隊西へ(1960年製作の映画)
3.7
岡本喜八監督による戦争アクション映画。前作の「独立愚連隊」とは何の関連性もない。キャストは佐藤允、加山雄三、フランキー堺、中谷一郎などなど

終戦間近の北支戦線。とある連隊が八路軍に襲われ日本軍の誇りともいえる軍旗が奪われてしまった。それを取り返す為に、大日本帝国中国支部は、危険な戦線を渡り歩いてきたならず者たちで構成された独立愚連隊を派遣する。彼らは軍旗奪還より、八路軍に捕らえられた軍人救出を優先して西に向かうが…

それまでの辛気臭くて重たい社会派映画しかなかった日本の戦争映画の真逆を行くエンタメ路線に振り切った作風が特徴の独立愚連隊シリーズ第2弾。この後も「どぶ鼠作戦」なども含めて3作を喜八さんが監督し、その後は「ヤマ猫作戦」「蟻地獄作戦」などなど作戦シリーズが作られるが、それも見てみたいんですよね~。でもどぶ鼠作戦以外は中々市長が困難でしてね~。本当に見てみたいんですよね~。

この映画も、序盤からフランキー堺演じる中国人の軍曹と、佐藤允と加山雄三が率いる独立愚連隊の意味の無い追いかけっこが繰り広げられる。そこもとてつもなく細かいカット割りで目まぐるしく展開していくため、絵的な動きはないにも関わらず飽きない。そこが喜八さんらしいカットを重ねた魅力だと思いますね。

喜八さんの映画では、人が死ぬ際には物凄くあっけなく死んで行ってしまうんですよね。この映画でも衛生兵と捉えられた従軍看護師の方が夜逃げしようとするところを味方の軍曹に撃たれてしまいます。そのあっけなさもまた喜八イズム。

他にも、短いながらも特徴的な台詞回しなども魅力的ですね。「人の命は地球より重いか?」っていうのが印象的。

そして、この映画一番の魅力は上谷上等兵ですね。序盤川浴びで死んだかと思ったら生きてて結果的にさらに位の高い人の服を身に纏いそのふりをするという…それでもって最後はやっぱり死んじゃうし。可哀想だけどおかしな奴だったよ。

他にも、ちょっとダサいなと思わせながらも、やはりニヒルに決まっていてかっこいい中谷一郎さんや佐藤允さんの演技も素晴らしいですね。加山雄三さんも男らしさ満々でとても良かったと思います。ただ犠牲者が今回あまり少なかったのが残念かな。前作も良かったから終盤に全員死んでも良かったと思いますけどね。

観れて良かったです。
HK

HK