滝和也

サウンド・オブ・ミュージックの滝和也のレビュー・感想・評価

4.6
歌の力、音楽の力♬
言わずと知れた、
ミュージカルの最高傑作♪

「サウンドオブミュージック」

クラシック好きを名乗りながら、恥ずかしいのですが、こちら見ておりませんでした。う〜ん、なんて私は愚かもの…。もう、涙と微笑みが交互にやってきてしまうと言う…。感動とはこう言うことなんでしょうね(^^)

歌が好きで破天荒な修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)は、彼女のことを想うシスターに命じられ、ある子どもたちの家庭教師となる。そのトラップ大佐(クリストファー・プラマー)の7人の子どもたちは、母を失い、大佐の軍隊式の厳しい躾の中、暮らしていた…。そんな暗い、不自由な子どもたち、大佐に、彼女は歌を通して灯りをともして行く…。

アルプスの山々を空撮で映しながら、高原でサウンドオブミュージックを歌うマリアへのクローズアップとつながるダイナミックな撮影によるオープニング。全編通してオーストリア、ザルツブルクの美しい風景、街並みを分断に使用した撮影が美しい。

そして子どもたちと出会い、打ち解けていく楽しい遠足、ドレミの歌のシークエンス。まさかの疾走感漂う見事な歌とダンス、演出、編集の妙。これ一発でやられますよね。暗い感じの子どもたちが子供らしい明るさを取り戻していくその説得力。最初の涙は、その姿の後、美しい歌でお客様をもてなす彼らに帰ってきた大佐が感動し、規律を守らせなかったマリアを許すシーン。それもその説得力があってこそ。

またロマンチックな舞踏会のテラスでの大佐とのダンス、子供たちの「さよなら、またあいましょう」の愛らしさ(^^)トラップ家のセットの奥行き、豪奢さはハリウッド大作ならではですし、雰囲気作りに一役買ってます。中間を挟み、大佐が自分のマリアへの愛を確信し、告白するナイトシーンの美しさ。青き世界にシルエットで映る二人にまた涙。名シーンが続く心地よさがもう、その世界に引き込んでくれます。

ただ終盤、このお話が実話であったこと、現実に引き戻されます。場所はオーストリア、時代は1930年代。そうナチスによるオーストリア併合です。オーストリアはナチスの圧迫に無血開城します。大佐は反対派なんですよね。でもそこを表す音楽祭の祖国を想う大佐のソロ、「エーデルワイス」にまた涙。

全編、歌を通して、何者に対しても自由であることの素晴らしさ、明るさを讃えた作品であり、アメリカのショービジネス、ハリウッド映画らしさに溢れた作品でもありますね。

やはり、ジュリー・アンドリュースの歌と演技、その明るさに心洗われますよ。またクリストファー・プラマーのカッコ良さ。そう言えばお年を召された彼の作品を最近見てました。「手紙は覚えている」です。名優はいくつになっても巧いものだなと感心しきりです。こちらもオススメです。後何よりも子供たちがかわいい(^^)もう最高です(^^) 長女リゼルはもう美しいと言っても良いのかな。彼女用のスコアもありますしね(^^)

音楽・ストーリー・演出、俳優さんたちの演技・歌と全てが揃ってます。ただ腑に落ちないのは撮影賞をアカデミーでとってないんですよ。調べたらデビット・リーンのドクトル・ジバゴに持ってかれてました。こちらは未見ですが、リーン監督作なら仕方ないかな…。

前から音楽大好き、歌大好きですし、子供にも弱いから、評価が大甘になっちゃいそうとは思ってました(^^)結果、泣くは笑うわで高得点(笑)でもホントに見てない方にはオススメですよ(笑)
滝和也

滝和也