バナバナ

赤い靴のバナバナのレビュー・感想・評価

赤い靴(1948年製作の映画)
5.0
大昔に観たことがあったけれど、最近レビューを書いてる人をよく見掛けるので、Amazonにラインナップされていたので(デジタルリマスター版ではありません)久しぶりに観てみました。やっぱり内容は全く覚えていませんでしたw。

バレエ団が一つの新作を創る過程を堪能できます。
べレエ団の団長でプロデューサーであるレルモントフは、セルゲイ・ディアギレフをモデルにしているそうです。
その他、主演の燃える様な赤い髪の美女ヴィッキーには英国ロイヤルバレエ団のモイラー・シアラーが、また他もプロのダンサーで固められているので、劇中劇で出てくるバレエ作品も非常に美しかったです。
特にバレエ・リュスの振付師レオニード・マシーンが劇中劇『赤い靴』で演じた、悪魔的な靴屋は絶品でした。
レルモントフの以前のミューズ、ボロンスカヤ役を演じたリュドミラ・チェリーラの脚が太いなと思っていたら、なんとこの人もバレエ・リュスの本物のプリマドンナだったそうなので、ビックリしました(モイラー・シアラーの踊りの方が流石という感じでした)。

「芸術に心臓を捧げよ」という考えのレルモントフは、劇団の作曲家クラスターと恋に落ちたヴィッキーに怒りを覚えるが、「私なら君を史上最高のダンサーに育て上げることができる」という自負があるので、ヴィッキーを諦めきれない。
一方ヴィッキーも、バレエだけが自分の人生ではないと言いながらも、まだ若いし、物足りなくなってくる。
最近では、一流バレエ団で結婚、出産を経ても、また現役のプリマドンナで活躍する人が増えてきたが、この時代は二兎追ってはいけない時代だった。
まあ本作の上映から75年経っているのだから、両方選べる時代になって当然か。
せっかく美しい映像なので、デジタル・リマスターで観たかったです。
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