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ロープのtetsuのレビュー・感想・評価

ロープ(1948年製作の映画)
3.0
『1917』に感銘を受け、過去のワンカット風映画も気になったので鑑賞。

ある人物を絞殺した男と、それを持ちかけた男。
死体を隠したのも束の間、殺害現場となった部屋でパーティーが行われることになってしまい、彼らは必死の隠蔽工作を始める...。

ある一室を舞台に繰り広げられる巨匠・ヒッチコックによるワンカット風サスペンス。
犯人が分かっている上で、彼らがどうなっていくのかが気になる展開、人々の会話をワンカット的演出で繋いでいく演出、その中で次第に見えてくる人物関係が、とても興味深い作品でした。

ただ、『1917』の直後に観たため、オープニングでワンカットが途切れてしまう部分に若干萎えましたし、その他にも割と分かりやすくカットが切れている点は少し気になったり...。
そういう点では、確実に観るタイミングを間違えた作品とも言えますね...。笑

また、本作ではワンカットに見せるための手法として人物の背後にカメラが回り込み、近づいて暗転、その後、人物の後ろへとカメラがひいて、シーンが続いていくという演出をとっているのですが、滑らかにワンカット風演出を成功させていた『1917』と比べると、案外チープな演出に感じてしまいました。
(まぁ、比べてしまうこと自体が筋違いなんですけどね...。汗)

というわけで、
『1917』と比較してしまうと、どうしても気になってしまう部分が多い作品ですが、ワンカット風演出を70年以上も前にサスペンスの名匠・ヒッチコック監督が挑戦していたという事実自体に価値がある本作。
可能であれば『1917』を鑑賞する前に観てほしいワンカット風映画の原点でした!
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