ひろぽん

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.6
劇場版『ポケットモンスター』シリーズ6作目

ホウエン地方を旅するサトシ一行は、ポケモンパークで出会ったマジシャンのバトラーと出会う。彼の腕に抱えるモノの中には1000年に一度7日間だけ目覚め、人間の願いを叶えてくれるという幻のポケモン・ジラーチが眠っていた。そのジラーチの力を利用して恐ろしい野望を叶えようとするバトラーからジラーチを守っていく物語。


過去の劇場版作品に登場した伝説や幻のポケモンを全て登場させるカッコイイ演出からはじまる冒頭。

空いっぱいに打ち上がるポケモン花火は、心を奪われるほど綺麗で見とれてしまった。

今作のテーマは、「願い」についてで、不正や卑怯な手を使わず自分の力で願いを叶えろというメッセージが込められている。不正な仕方で願いを叶えようとしても失敗して不正な結果になるだけだということが、ジラーチに願いごとをした時や、卑怯な方法で召喚したメタ・グラードンの描写から分かる。メタ・グラードンに関しては触手の生えた本物とは似て非なる怪獣のようなモノとして描かれていて気持ち悪かった。

また、これまでの作品と違う点としては、悪役のバトラーが自分の過ちに気づき反省して心を改め、サトシたちに協力するというこれまでにない悪役として描かれているところにある。

さらに、主人公のサトシというよりも、マサトとジラーチを中心に物語が構成されている点も面白い。マサトとジラーチの関係性は、友だちでもあり兄弟でもあるような関係で親のような目線で見守っているようだった。

今作登場するアブソルをはじめ、フライゴンやボーマンダなどのビジュアルの良いポケモンが登場するところも見どころのひとつ。そして、何よりもジラーチが可愛い!

7日間という短い期間だけど、ちょっぴり成長したマサトのロードムービーのような雰囲気がとても良かった。別れが近づき“こんなことなら出会わなければ良かった”と言うが、最後には“君に会えて本当に良かったよ”に変わっていて、幼いながら成長していてホッコリした。

別れはツラいけど、出会いというものは本当に素敵なものなんだと改めて実感した。願いごとはやっぱり何かにお願いするんじゃなくて、自分で叶えるものなんだな!
エンディングに流れる『小さきもの』がとても良かった!
ひろぽん

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