銀行家の御曹司のハーヴァード生(ライアン・オニール)と、お堅いカトリックの庶民の女学生(アリ・マッグロー)との身分違いの恋、しかも難病付き。
どれだけコテコテ&大甘のラヴ・ストーリーになるんじゃ、と思っていたら、ごくアッサリとサクサク進む展開に好感。
叙情的な音楽も、流麗なキャメラ・ワークも、肝心な場面で限定的にしか使わない。
ふたりを静かに観察する、ドキュメンタリーのようなタッチ。
出逢いの場である大学で、手作りの結婚式を挙げるシーンがある。家柄も、宗教も関係ない、ささやかな式。
映画全体も、そんな風に素朴でシンプルな良さがある。
定冠詞の”a”さえとっぱらった、”Love Story”という原題そのまま。
なので、恋愛映画が苦手な自分のような観客にも、ストレスなく飲みこみやすい。
”傑作”などという大げさな誉め言葉より、”佳作”という表現がピッタリくる作品。
《余談》 トミー・リー・ジョーンズが主人公のルームメイト役で出ている。あの特徴的な顔ですぐに判ります。ほぼ半世紀前の映画。キャリア、長っ!(笑)