keith中村

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝のkeith中村のレビュー・感想・評価

5.0
 「ザ・ホエール」を観てから、ずっと、「ハムナプトラを観返さなきゃな」と思ってたんだけど、本日3作連続鑑賞。1と2は観てたけど、3は初めて観た。
 
 なんと、これって、ある意味まさに今観るべき映画だった。というのも、ブレンダン・フレイザーとミシェル・ヨーが共演してるじゃん! この2人が本作の15年後にオスカーの主演賞を獲るなんて、世界中の誰も、それどころか当人お二人にだって予想できなかったことだろう。
 いや~、改めてお二人ともおめでとうございます!
 
 しかも本作は、「ザ・ホエール」「エブエブ」と同じく親子の話になってるのね。まあ、本作ではミシェル・ヨー側は親子の対立の話ではないんだけれど。
 
 ところで本作は、いきなり中国が舞台になってて面喰らった。
 2008年だから、ちょうどハリウッドが中国市場に目を付けた初期ですね。本作の前年がピンポイントに中国市場を当て込んだ「カンフー・パンダ」。もっとも残念なことにあれは中国では公開されなかったんだけど。当時は中国で上映できる海外の作品の本数や内容が今以上に規制されてたんですよね。
 本作は、ちゃんと中国側のプロダクションも巻き込んで、「木乃伊3:龍帝之墓」と直訳のタイトルで公開されてる。
 
 ジェット・リーの出番が少なかったなあ。すでにこの頃から病気になってたのかな…。
 
 さて、本シリーズの原題は「ミイラ」なんだけど、邦題はエジプトの死の都「ハムナプトラ」。1作目と2作目はハムナプトラを舞台にしてるんだけど、中国を舞台にした本作も仕方がなく「ハムナプトラ3」になってる。まあ、原題にしても、兵馬俑はミイラなのか? って問題はある。作品内では、生きた人間を兵馬俑にしたって設定にはなってるけど、それでもミイラかしらね?
 
 それと、残念なことにレイチェル・ワイズが出てないんだよなあ。マリア・ベロにバトンタッチしてる。マリア・ベロさんも悪くないんだけど、やはりレイチェルに続投してほしかったな。
 
 本作のラストでエブちゃん(「エブエブ」とまたちょっとつながった!)の兄貴ジョナサンが南米に行くことが示唆され、「ペルーでミイラが発見された」とテロップが出て終わる。
 当然、続篇を見据えてのことなんだけど、結局ユニバーサルはお家芸のマミーものとしての本作をここで打ち切って、トム兄さんでリブートしちゃった。ところが、あれもシリーズ化する気満々だったのに、大コケしたため、「ダーク・ユニバース」構想そのものがなくなっちゃった。
 
 ユニバーサルさんさぁ、あえてトム兄さんのをなかったことにして、「ハムナプトラ4」をブレンダン・フレイザーでやってくんない? 今やオスカー俳優だよ!しかも、まだ54歳。ハリソン・フォードより四半世紀も若いんだから全然何とかなるって!
 だいぶ太ったけど、いいじゃん!
 本作は、9年間で3作作られてるんだけど、作品内の時間経過のほうが早く、23年経ってる。でも、2・3作が実年齢より老けた役(何しろ、3での息子役のルーク・フォードとは13歳しか離れてない)だったんだから、実年齢くらいの設定でさ。
 そうしたら、作品内では1950年代中盤の設定にできるから「冷戦もの」にしてもいい。
 せっかくだからレイチェルにも出てもらって。
 あと、ミシェル・ヨーは本作で死んじゃうけど、どこかのワイスピみたいに「実は生きてました!」やりゃいいじゃん!
 …ただ、そうなると今やオスカー主演賞2人と助演賞1人だから、ギャラの問題はあるわな。
 
 本作(というか、本シリーズかな)は、まあまあ大味なんだけど、観客を楽しませようという心意気は全然伝わってくるし、何よりも今年のオスカーダブル受賞者の共演作ということで、祝儀も込めて満点を献上いたします。