KouheiNakamura

ロッキー・ザ・ファイナルのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
5.0
駆け上がれ!あの階段を!

伝説の男ロッキー・バルボアの軌跡、6作目にして最終章。
「クリード チャンプを継ぐ男」に大感動して始めたロッキーマラソンも今作で最後。前作のショボすぎる幕切れから実に16年、ロッキーシリーズに本当の終止符が打たれた一作。

歳をとり、最愛のエイドリアンに先立たれ、息子ともあまり上手くいっていないロッキー。身体は老いぼれ、しかし胸に灯った炎は消えずいまだ燃ゆる。やがてロッキーは生涯最後のリングへ上がるのだった…!

ロッキー1へのオマージュシーンが多く、シリーズを観てきた身としてはそれだけでも感無量。後半まではじっくりとロッキーのドラマを描き、最後に爆発させる構成もシリーズお馴染み。今回はそこに加えて俳優シルベスター・スタローンの総決算でもあるのがより泣ける。
どんなにみっともないと言われようが、きついパンチを受けようが関係ない。最後までリングに立ち続ける。あがき続ける。それこそがロッキー・バルボアの、シルベスター・スタローンの矜持であり誇りなのだ。

濃厚な人間ドラマ、迫力の試合シーン。さらにこの映画を特別なものにしているのはエンドロールに流れる映像たちだろう。
そこに映し出されるのは、一人のイタリア系アメリカ人が世界中の人間に夢を与えたその証拠。華がない、演技も出来ないと言われ続けた男が紛れもなく世界を変えたその軌跡だ。
そして、伝説はクリードへと受け継がれる…。

満点以外ありえません。オススメです。
KouheiNakamura

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