KouheiNakamura

帝一の國のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
3.8
過剰から、漏れる情。


古屋兎丸原作の漫画を実写化した学園政治コメディ。今をときめく若手イケメン俳優たちが大真面目に名門学園の生徒会長を目指す。キャストは菅田将暉、永野芽郁、野村周平、竹内涼真ら。

登場人物たちが大きな声でハキハキ喋り、オーバーアクションをする。過剰。やりすぎ。普通は欠点になりそうなものだが、この映画では過剰さこそが魅力になっているのが面白い。その面白さがピークに達するのが菅田将暉演じる赤羽帝一と吉田鋼太郎演じる父親が繰り広げるテストの結果発表の場面。吉田鋼太郎が舞台で鍛えられた発声と凄まじいテンションで点数を読み上げ、菅田将暉が負けじと凄まじいテンションでそれに一喜一憂する。二人が真面目にやればやるほど、観ているこちらは笑えてしょうがない。理想的な漫画の翻案場面といえる、この映画の白眉だ。

原作からあえて変更された場面は多々あるが、決して改悪にはなっていないのが良い。2時間の映画に綺麗にまとめられていて、すっきりと観やすい構成になっていた。
万人にオススメ出来る、政治コメディでした。

最後に一つ。個人的にこの映画で一番痺れたのは若手イケメン俳優たちでも永野芽郁ちゃんの可愛らしさでもなく、主人公のライバル東郷菊間の父親役を演じた山路和弘だったことを報告しておきます。何だあの渋カッコよさは…!あの声で一度でいいから言ってみたい。「敬語を使えと言っているだろう!!」
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