KouheiNakamura

るろうに剣心 最終章 The FinalのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

1.8
無念でござる。


同名漫画を実写化したシリーズ第4弾。
漫画とはまた違う生身の高速アクションが見もの。


いやもう何から突っ込んでいいのか分からないぐらいに杜撰な脚本と演出の数々に絶句。
これまでのシリーズで散々細かい原作改変をし続けてきたツケが回ってきた感じ。
原作既読組は改変部分の雑さが気になってしょうがない(特に弥彦と佐之助)し、逆に未読組は原作読んでないと何が何だか分からない部分が多すぎるという八方塞がり状態。

大友啓史監督のドラマ演出は前々から全く信頼出来ないな、と思っていたのだけれど今回もその悪癖は健在。
とにかく節操なく感情的な場面では"感動的な"音楽を垂れ流し、工夫のない役者のアップで尺稼ぎ。
それさっきも見たわ、っていう場面を4回ぐらい回想として繰り返すのも最低。
音楽もアクション場面の音、泣きの場面の音、なんか知らんけど壮大にしたい場面の音…と3種類ぐらいしかない。

頼みの綱のアクションシーンも前作までのわちゃわちゃの拡大再生産、といったところで見せ方の工夫が非常に少ない。
はっきり言って、芸がない。
役者陣とアクション指導の頑張りを監督が無駄なものにしている。
非常に、勿体ない。

そもそもドラマ部分でほぼ何も蓄積してない状態でアクションだけ見せられても混乱するだけで、カタルシスなんて生まれようがない。
MCUやジョン・ウィックシリーズ、ロードオブザリングシリーズ等アクションとドラマが融合した作品と比べるとその差は一目瞭然。
アクションだけが凄い、ならyou tubeでアクション部分だけ見せてくれた方がよっぽどいいんじゃないかとすら思えてしまう。

総じてアクションのクオリティの高さに甘えきった監督の雑な仕事が前面に出た、とっても残念な完結編でした。
…って、まだ続くの?
今回回想シーンとしてちらちら見せてたやつの2時間版?
正直、期待は出来ないな…。
KouheiNakamura

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