たけちゃん

ロッキー・ザ・ファイナルのたけちゃんのレビュー・感想・評価

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)
4.5
過去に生きるな!


シルベスター・スタローン監督 2006年製作
脚本、主演シルベスター・スタローン


シリーズ「クリードへの道」
いよいよ「ロッキー」としては最終作となる「ザ・ファイナル」

これは素晴らしい作品ですわ!
15年、温めただけある( ˘ ˘ )ウンウン
シリーズを俯瞰したような作品になっているのと、ノスタルジーに溢れてはいるんだけど、そこにとどまらず、一歩踏み出すんだ!という前向きなメッセージが明快に伝わってきますよね。

なんと言っても驚かされるのが、エイドリアンが既に亡くなっているストーリーだったことです。
前作のレビューで、ロッキーのエイドリアンへの愛情とは別に、エイドリアンの価値のようなものを語りましたが、その要的な役割の彼女が既に他界していたとは!
そのため、ロッキーが抜け殻のようになっていて、その為にもエイドリアンの死が必要だったんだなと感じましたね。そこを抜け出す展開なんです( ˘ ˘ )ウンウン


今作は出てくる登場人物みんなに、次の1歩を促すストーリーが用意されています。
ロッキーしかり、息子のロバートしかり
現チャンプのディクソンですらそうなんです。
ライバルもなく、憧れるヒーローもいないチャンプ。
そんな彼の前に立ち塞がるロッキー。
彼にとってロッキーこそが、初めての試練。
そして、新たに踏み出す学びの場でした。
「本当のボクシングを教えてもらったな」というトレーナーの言葉が胸に沁みます!


あと、過去シリーズを観てた人は驚いたろうなぁ。
ロッキーの店で食べていたスパイダーって、第1作の最初でロッキーと戦ったボクサーです。今は信仰に目覚め、カーマイン神父の代わりにロッキーに聖書を読んであげていました。

また、ロッキーとバーで出会うマリーって、1作目でロッキーに諭される少女です。あの時は家まで送ってもらったあとに暴言吐くけど、今作ではすっかり大人の女性になっていましたね。自分に関わったものを放っておけないロッキーの姿が見られます。ここがロッキーだよね。


ところで、今作はボクシングのリアルにも溢れているんです。
現チャンプ、メイソン・ディクソンを演じるのはアントニオ・ターバー。なんと、現役のライトヘビー級チャンプなんですよ。スタローンが「役者にボクシングを教えるよりも、本物のボクサーに演技を教える方が早い」として起用しました。
また、ボクシングシーンはガチンコで、リアルに殴られているそうです。ダウンして、ロープを使って立ち上がろうとして掴めずスリップするシーンも、演技ではなく本当なんだとか。凄すぎます!
アントニオ・ターバーは、そのシルベスター・スタローンの姿勢に感動し、自らももう一度階級を上げて挑戦する決意をしたとか!凄いエピソード。

そして、そのボクシングシーンは、本物のHBOのリングを使い、レフリーやアナウンサーを含めお客さんも本物。リアルなロッキーコールに痺れます( ˘ ˘ )ウンウン
スタローンも嬉しそうだもんね(^-^)

それにしても、ロッキーのガウンやトランクス、かっこよかったなぁ。黒地に金だよ!




さて、また、音ネタ💩ウンチクンです\(^o^)/

オープニングはシリーズで初めて前作のファイトシーンでは無くなりました。現チャンプ、ディクソンのファイト。誰?って思いましたよね。
そして、一方のロッキーは……となります。
そこで流れるのが、スタローンの弟フランク・スタローンが歌う「Take You Back」。あの1作目でドゥーワップで歌われた曲です。「テイキューバック、ドゥドゥッドゥッドゥ~」が耳に残りますよね。コメンタリーで、俳優を雇うお金がなかったので、弟に歌わせたと言っていましたが、シリーズを代表する歌になりました( ˘ ˘ )ウンウン

フランク・スタローンは他にも何曲か使われています。
「Get Up」
「You Wake Up The Heart In Me」
など、ロッキーシリーズでしか聴きませんが、活躍の場があって、良かったね、フランク。


ザ・キラーズの「Somebody Told Me」
ザ・キラーズは個人的にはそんなに聴かないのですが、アメリカの人気グループです。2003年にデビューして、翌年発表した「Hot Fuss」にこの曲が収録されていました。このアルバム、700万枚も売れたんですよ。これはいい曲( ˘ ˘ )ウンウン


ロッキーの入場曲はフランク・シナトラの「High Hopes (望みを高く)」です。フランク・キャプラ監督作の「波も涙も暖かい」に出演したシナトラが歌った曲ですが、僕は見たことなくて知りませんでした。でも、一緒にお客さんが歌っていたので、有名なんでしょうね。


対するチャンピオン、ディクソンの入場曲は
スリー・6・マフィアの「It's A Fight」。
スリー・6・マフィアって、サウスのN.W.A.って言われたヒップホップグループで、こちらも僕は見てないんですが「ハッスル&フロウ」って映画の主題歌でアカデミー賞を受賞しているそうですよ。
ギャングスタっぽいこの曲もかっこよかったですね!




という感じで、「ロッキー4」とは違い、知られざる感じの曲が多かったですね。この映画同様、隠れた名作ってセレクトでした(^-^)


ファンから愛されているエンドロールも最高だね!
僕も行ってみたいフィラデルフィア美術館( ˘ ˘ )ウンウン
「ザ・ファイナル」に相応しい素晴らしい作品になりました。おすすめです( •̀ω•́ )و✧