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天国の門のtjZeroのレビュー・感想・評価

天国の門(1980年製作の映画)
3.6
19世紀末、ワイオミングで起きた牧畜業者の組合&政府軍による東欧系移民の大虐殺を描く。
アメリカの黒歴史といってもいい史実を、『ディア・ハンター』のマイケル・チミノ監督が容赦なく(暴き出すように)映画化している。
今でもヨーロッパでは移民とテロの問題でキナ臭くなっているように、ニンゲンって昔から進歩しない愚かな存在なのかナ~とやり切れない思い。
ペキンパーの『ワイルドバンチ』とか』タランティーノの『ジャンゴ』みたいにやけっぱちで振り切っちゃったような描き方ならカタルシスもあるんだけど、本作のチミノ監督はひたすらマジメなリアリズム・タッチのため、陰々滅々たる気分が残る。
「スゲェ~のを観たなあ」という高揚感と、「後味ワリィ~」というムカムカ感が渦巻く…大変なパワーのある作品であることは確か。
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