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ヒロシマモナムール/二十四時間の情事のtetsuのレビュー・感想・評価

3.6
『ひろしま』に合わせて鑑賞。

原爆投下後の広島。
運命の出会いを果たした日本人男性とアメリカ人女性は、束の間の情事に耽るが...。

『ゴジラ』には、アメリカ目線で新撮シーンを追加して編集された海外版『怪獣王ゴジラ』というのがあったが、そう考えると、本作は『ひろしま』の海外版ともいえるのかもしれない。

開始15分、
哲学的な語りに合わせた映像の羅列が続き、置いていかれそうになったところからの物語展開には人を選ぶかも...。
(ちなみに、このシーンで『ひろしま』の劇中シーンが使われている。)

ネオンがきらめく広島の夜景をバックに歩くヒロインの美しさ、
男女の配置や白い服と黒いスーツの対比、
日本の夜の街角とパリの街角が重なるクライマックスのドリーショット 。

日本の白黒映画にフランス人とフランス語が漂っているような不思議で美しい映画だった。

P.S
最後に辿り着くお店の名前が『カサブランカ』だった点、最終的に"ヌベール"と"広島"という街の関係性が強調される点など、街の扱い方が印象深い作品でもあった。
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