イライライジャ

キングダム II 第3章/第4章のイライライジャのレビュー・感想・評価

キングダム II 第3章/第4章(1997年製作の映画)
3.8
後半戦。顔はウドキアで身体は赤子という強烈な悪魔の赤ちゃん“リトルブラザー”が産まれ、産まれた瞬間普通に喋り、驚異のペースで急成長。キングダム病院での悪の存在であるのに対し、その悪の存在であるリトルブラザーが一番善人という皮肉。良い子すぎて泣いてまう。
トリアー監督は自身の作品では善と悪の対立を描いていて、悪よりも人間の闇の部分に惹かれると答えていた。確かに明らかな悪の存在よりも普通の人間の闇を描くのが上手いなぁと思う。

メインキャラである霊能力ババアは完全に幽霊たちを取り込んで好き勝手しているし、クロウスホイはゾンビだし、主人公ヘルマーのやらかしぷりも前半より明らかにレベルアップ。リトルブラザーは良い子すぎて霊にめっちゃ好かれる。霊たちもパリピみたい。
ペニスの模型を持ったまま女性を追いかけて「君に見せたいものがある!!」とペニスを隠すけどカーテン越しの影がちょうどギンギンに勃起したチンポになってるシーンがアダムサンドラーがしそうなくらいのど下ネタすぎて笑った。
古典的な笑いを超真剣にやっててトリアーって鬱だとかそういうイメージ強いけど絶対こいつユーモアあるよな。

そしてこのドラマ、主役の人が亡くなったため死ぬほど良いところで終わってしまう。つまり永遠に未完の伝説ドラマなのだ。つ、つらい!続きが見たい!
合間合間に障害者2人が話すシーンが挿入されるんだけど、本編とつながることもなくモヤモヤした状態で終了。
でも全体通してもかなりの傑作。