KouheiNakamura

グッドフェローズのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
5.0
FAREWELL,MY WAY.


1990年に誕生したマフィア映画の革命的大傑作。その影響力は凄まじく、映画界だけではなくファッション・音楽界にまで及ぶ。


ずっと見たいと思っていたが中々機会に恵まれずにいたこの作品、やっとのことで初鑑賞。感想は…面白い!面白い!とにかくめちゃくちゃ面白い!
全編ハイテンションな緊張感がずっと持続し、異様なテンポの良さで語られる主人公ヘンリーの栄枯盛衰。145分の上映時間は本当にあっという間に過ぎてしまう。
まずは何と言ってもOPの秀逸さ。夜道を走る一台の車。車内にはどこか緊張した面持ちの三人の男。一瞬の間。と、トランクの辺りから何かを叩く音。何の音だ?車を止めてトランクの中を確認する。そこにあったのは…。
観客を一気に物語の中に引き込む見事な語り口。トドメは主人公ヘンリーのナレーション、「ガキの頃からギャングになりたかった、大統領よりも。」流れる音楽。駆け抜けるタイトル。くぅ〜最高だ!

ジョー・ペシ演じるトミーの凶暴性が明らかになる「What's the funny?」の場面、ロバート・デ・ニーロ演じるジミーの公衆電話ボコボコからの「そこの角を右だ。」の場面、レイ・リオッタ演じるヘンリーの薬でぶっ飛ぶ場面などその後も印象的な名場面のつるべ打ち。
また撮影含めたスタッフワークも素晴らしく、特にヘンリーがカレンを初めてナイトクラブに連れて行く場面の長回しは強烈。全編暴力と嘘と裏切りにまみれた映画なのに、現実感が半端じゃなくどこか僕たちの世界と地続きのように感じるのも魅力の一つ。

観た人とすぐにでも語りたくなる作品であり、映画全体に漲るエネルギーに触発される作品でもある。ゴッドファーザーが堂々たる風格の名画であるならば、グッドフェローズは猥雑で破天荒なパワーを持った怪作といったところだろうか。
スコセッシの近作ウルフ・オブ・ウォールストリートとの共通点も多く、見比べてみるのも楽しいかもしれない。ちなみにウルフ・オブ・ウォールストリートは死人が出ないグッドフェローズみたいな作品です。

まだこの映画を観たことがない方も既に何度も観ている方にもオススメしたい、これぞマフィア映画の金字塔です。
KouheiNakamura

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