LATESHOW

ヒミズのLATESHOWのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
3.7
「立派な大人になってやる!」
染谷将太の絶叫がまだ胸に突き刺さっている。
住田がんばれ、住田がんばれ。

普通に生きたい、でもいつしかまともがわからなくなる。
取り返しのつかないことになって
いくら普通を求めても
いくら被災地の廃墟で叫んでも
ただただ惨たらしく許しがたい現実が
お前なんかいらないと立ちはだかる。
立ちはだかる壁に向かって
何度となく涙を流す二階堂ふみの熱量。
渡辺哲の存在。
上手くは言えないのですが、もし、染谷将太が街中で悪党を見つけて殺す展開になっていたら、それは
熱量を奪われ閉塞しきった
2011年以降の現代日本に
映画がなす術なく平伏したことになっていたんじゃないだろうか。
泣きながら走るふたりに
住田がんばれ、住田がんばれ!
思わず共に叫びたくなる。
心からの「がんばれ」を。

泥と絵の具にとことん塗れ
ビンタの応酬から殴る蹴るまで
園子温監督の感情表現は粗削りでストレート。
そのぶん吹越満さん神楽坂恵さんの存在に癒やされるなあ笑
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