11歳の私がキラキラの夏休みを送ってたすぐ横で
30歳の誕生日を信じられない顔で過ごしてたパパは
本当はどんな心持ちでいたの。
ビデオテープを巻き戻す
大人になった私の胸に
カーテンに隠れたパパの横顔から
鈍い痛みが飛来するの。
夏の夜に踊って笑ってたパパは
今でも生きてる。
フレーム外にあるはずの感情を観客に委ねる、
説明の無い映画だ。
見終わって数日経てから父親の感情をはたと理解し
何と残酷なことかと涙ぐむかもしれない。
あるいはふとした瞬間に理解してしまい
娘の無垢な笑顔をまともに見れなくなるかもわからない。
BlurとREMとQUEENが痛切に聴こえた
貴方もきっと優しい人だ。
観客の読解力を試すべく
委ね突き放した映画ではないと思う。
むしろ観客の優しさを信じて作った映画だ。
パパが誕生日を祝ってもらった時の感情の揺れ動きを
説明が省かれていても共振し涙する
貴方の優しさや映画の力を信じ
作り手は撮ったようにも思える。
だいぶ甘っちょろい感想だが。