LATESHOWさんの映画レビュー・感想・評価

LATESHOW

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

奇妙奇天烈な映像、美術、衣装、
そして音楽が際立って素晴らしい。
入水した母の肉体で復活した幼児ベラの
大きな瞳に映る美醜の世界は
どこか作り物のようだが
蛙を潰せばちゃんと死ぬし
死体を突っつけばち
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間性を失わせまっさらにしてから
従順な兵士に仕立て上げる方法がある。
笑ったり泣いたり出来なくしてやるほど
罵倒し、殴りつけ、走らせ、規律のみに従わせる。
名前を奪い酷い渾名で呼び、
ルール違反は連
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

もしもコックリさんの正体が
低級動物霊じゃなくて893だったら
ぬーべーも鬼の手お手上げで
鬼太郎も帰ろう父さんと見放すレベル。
クソやべー特級呪物だっつうのに
オージーのDQN共が
ドラッグ感覚でヤ
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

前情報無しでまず観るのを強くお勧めする。


小学校の吹き抜けの階段を
斜め上から全体が見えるよう
撮られた場面が一瞬出てくる。
この階段こそが、
どこに立っても全体像を掴めず
一面しか目に入らない階
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

11歳の私がキラキラの夏休みを送ってたすぐ横で
30歳の誕生日を信じられない顔で過ごしてたパパは
本当はどんな心持ちでいたの。

ビデオテープを巻き戻す
大人になった私の胸に
カーテンに隠れたパパの横
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青春弑恋/テロライザーズ(2021年製作の映画)

3.7

旧知の男女が再会し、
やがて恋仲となり独立への夢を見るも
台北駅で突然起きた無差別殺傷事件に巻き込まれる、
という全体の大まかな第一の視点から
無関係の筈である6人の男女それぞれの視点を通して
惨劇に
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

4.0

暴威曼陀羅。
途方も無い量のアーカイブとインタビューの眩いザッピング、フッテージのめくるめくコラージュ、更にはオリジナル曲をボーカル抜きトラックで流す大胆なリミックス使用。

ナレーションは無い。
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

映画は
みんなが望む美しきおとぎ話、あるいは
下劣でラリったロクデナシどもが
ケツを並べてひりだしたクソの肥溜めに
一滴の涙を垂らした芸術品、
よく出来た嘘でその日一日中幸せになれる合法ドラッグ、
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恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.5

北風しか吹かないようなど田舎で
レズの嘲りを睨み返すあの子は
つかつかと誰より早足で歩いてた。
聞こえないよう生きてきた僕に
気付かないふりして生きてきた僕に
あの子は石をぶん投げて振り向かせた。
O
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ワイルド・スタイル(1982年製作の映画)

3.9

薄汚い広告が占領するゼイリブな車内で精神汚染され
毎日鬱気味で出勤させられる陰気な地下鉄。
深夜操車場に侵入しゴミと嘲られ違法行為と承知しながらも
デカく派手でしかし精密なグラフィティでボムる。
始発
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時代革命(2021年製作の映画)

4.5

自由は、あまりに弱く、おそろしく脆く、
あやふやで、儚い。
だが人が生きる上で不可欠である。

善い悪いの話ではない。
意識が高い低いの話をしているのではない。

人を人たらしめるものが自由なのだ。
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チャーリー・イズ・マイ・ダーリン(1966年製作の映画)

3.0

テンポの速い初期衝動剥き出しなサティスファクション、明日のことは分からないまま常軌を逸した熱狂の渦中、意外にもマッチドグリップスタイルにて前のめりに叩く。潑剌とした眼差しと既婚者故か大人びた雰囲気、何>>続きを読む

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)

3.9

歴史の内側を直感的に捉えるべく、
中世と同じ素材と方法で作成した衣装と武器を纏い
548日間極寒の山奥で生活しながら撮影した結果
黒澤明に匹敵する画となった神聖にして猛々しい叙事詩。
映画の奇蹟が一つ
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「バッファロー66」の二人が好きな人は
「WANDA」の二人を観ても
どことなく親近感が湧くような気がします。
カサヴェテスやケリー・ライカートのみならず。
岡崎京子「エンドオブザワールド」の
イース
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

何かいいことないかな
何かいいことおまへんか?

時代のシラケた空気を胸いっぱいに吸って
ああどうしようかな、明日は何をしようかな。

ニキビづらの童顔は大人ぶってビジネスに挑戦。
承認欲求強いアラサ
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.5

アパートの一室に住む主婦の日常。
ただそれだけの映画。
200分の鑑賞時、隣席の人は早々に寝落ちしていた。

カメラは固定され、長回しで
見せるべきものだけを静かに撮る。
必ず電気を消して部屋を移動す
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.9

クローネンバーグ「クラッシュ」はじめ
カーペンター「クリスティーン」や
塚本晋也「鉄男」、ロジェ「マーターズ」等を
彷彿させる、融合と変身の現代神話。
クローネンバーグへのリスペクトも多分にあるのだろ
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.9

洒落怖でこれは殿堂入りと確信する「人間が一番怖い」系の話に出会ったかのような引き込まれる面白さ。うっすらオチが読めているのに最後まで話を追わずにいられないデル・トロの完璧な画力、ストーリーテリング、配>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.8

「お前がどこに行って何になろうと一生変わらん。それが分かってれば不幸にならない」

心の故郷とはっきり呼べる場所が無い人間にとっては、ベルファスト愛が眩しかった。こんな因習塗れの死んだ土地おん出てやる
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女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

3.5

「ガンパウダー・ミルクシェイク」の
本作へのあからさまなオマージュ。

脱獄モノで囚人が
いつまでもメソメソしてると
観てる側はゲンナリする。
スティーブ・マックイーンはへこたれないし、
イーストウッ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.9

エンドクレジットに
旧作にてオスカー受賞した
リタ・モレノの名前見つけた時は
本当に驚いた。
ドラッグストアのおばあちゃんだったのですね。
何という説得力ある役か😭

デジタルに頼らない35mmフィル
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.8

remain in lightを最初に聴いた日。
stop making senceを初めて観た日。
ラブソングを歌わないインテリの皮肉屋
デヴィッド・バーンは
アフリカの悪霊に取り憑かれた白人科学者
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Summer of 85(2020年製作の映画)

4.0

時々、アレクシの横顔がリヴァーに見えた。
オゾンもドランも、バイクに二人乗りするリヴァーに憧れていたのだろう。
夏は時々死の匂いがする。
死の観念に囚われた16歳。
スピードのむこう側を求めた18歳。
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.5

21世紀令和になってもこんな旧態依然とした考えが
罷り通るのか、などと驚き呆れるのにも疲れてきた今日の日本。

この映画は疲れていない。元気だ。
しなやかで、静かで、とても強い。

「東京って棲み分け
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ダーティハリー(1971年製作の映画)

4.5

世間の流れで価値観も変化し続けるもので
犯罪者に容赦ない汚れ仕事専門はみ出し刑事の
御意見無用な正義感なんてのは
今現在とっくに通用しないものかもしれない。
じゃあ何で今観てもいつ観ても
イーストウッ
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.5

銀の食器を盗んだ彼に忘れてましたよと司祭は蝋燭台も差し出し、俺はクズだと改心するジャン・ヴァルジャン。
自分をレイプし教会内を荒らし回った犯人を許すシスターに、
悪徳刑事のハーヴェイ・カイテルは泣いて
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ロッキー(1976年製作の映画)

4.0

ロッキーの舞台となる1975〜6年のフィラデルフィアの荒廃した街の様子を見て
当時在住していたデビッド・リンチが最悪の環境だったとドキュメンタリーで述べていたのを思い出した。
何故、舞台はあの街なのか
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ジオストーム(2017年製作の映画)

3.3

ちょっと考えたら天候操作衛星なんて大量破壊兵器になるのがわからんもんか云々
は置いといて
ハト派万歳な劣化アルマゲドンwith宇宙兄弟、とりあえず
モスクワと中東とトキオホンコンぶっ壊しとこうぜ!な
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さらば友よ(1968年製作の映画)

3.7

男が二人いる。
戦地から帰還したばかりの二人。
一人はどこか影を背負い、
一人は曲者を匂わせる。
見知らぬ女に頼まれ一人は
地下の金庫に潜入する。
何故か。理由はわからない。
ウマイ話じゃないのかと嗅
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

3.6

可愛くて頑固な女の子2人の会話が主体。
おじいさんが最少人数で撮影してるって、どんだけ女子力高いんだと思った。
まあ女子力関係なく、洞察力や観察眼がズバ抜けて高いんだろう。

田舎娘然としたアート肌の
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ポリスアカデミー(1984年製作の映画)

3.7

ファックザポリスな映画
(デトロイト)の後は
ポリアカで癒されたい!

幼い時分にTVで笑ったのは
ポリアカとカトちゃんケンちゃんと裸の銃を持つ男。
そうそう、オッパイ丸出し下ネタ満載な時代でした。
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デトロイト(2017年製作の映画)

3.9

あと数十秒で夢見た舞台に立てるはずだったのに
二度と歌わなくなった青年。

絶望のどん底を登場人物達と共に味わう重い映画。
俳優がもう演じるのが耐えられない!と泣き崩れるほどの
キャスリン・ビグロウ監
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ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(2008年製作の映画)

3.0

咥えタバコを吐き捨てるキースと
年齢を感じさせない動きのミック
過去のインタビューで
2人の異なる性格がよくわかる。

ストーンズを聴かずにいられない
ある夜に観て
曲もLiveももちろん最高なんだが
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ガキ帝国(1981年製作の映画)

3.8

情熱は空回りしてナンボで
社会の歯車にはめて回すのは
後回しや!
と、井筒監督に怒鳴られたかのような
凄まじいエネルギー量に呆然となる。
喧嘩シーンがフニャフニャなのは
徒党を組んで暴れるやつらの
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ダークタワー(2017年製作の映画)

2.9

スティーブン・キングの長編小説の映画化ですが、90分弱という点でお察しください。
普通の少年が超能力に目覚め、異世界にワープ!
そこで出会うはエクスカリバー製の2丁拳銃を操る復讐のガンマン!
宇宙の滅
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コールド・フィーバー(1995年製作の映画)

3.8

氷の国で亡くなった両親のお弔いに
日本からやってきた永瀬正敏。

仕事に追われ上司の顔色を伺う毎日。
行けども行けども凍てついた大地が続くアイスランドに降り立ち
変な国だなと戸惑いながらも
目的地の川
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