ヨコヤマさんの映画レビュー・感想・評価

ヨコヤマ

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カンダハール(2001年製作の映画)

4.1

アフガン周辺の砂漠を飛ぶ飛行機から、義足が括り付けられた無数のパラシュートが落下する。シュルレアリスム映画の一場面のようだが、テントから地雷で足を吹き飛ばされた男たちが松葉杖で必死に走り寄る。

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ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

4.0

学生時代に主演映画とドラマ観まくった一番好きな俳優さんと
TVで顔見る度にチャンネル変えるくらい一番嫌いな自称俳優が出てるんだよね...笑

ストーリーに脈絡がなく正直破綻寸前だが
藤竜也が顔にペイン
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エレベーターを降りて左(1988年製作の映画)

3.4

エマニュエル・べアールが頭おかしくなるほど可愛い。

プンスカ怒るの可愛い。
クスンと涙ぐむの可愛い。
ヒステリー起こしても可愛い。

話はたわい無いドタバタラブコメで
オチがこねくりまわし気味ですが
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.8

虚栄の末路。
バート・ランカスター、ただの肉体派じゃなく映画人だと改めて認識。

陽光に照らされ輝くプールの水面は、薄ら寒い現実を映し出さず
凍える雨に無残に打たれる姿が
見せかけの幸福を打ち砕く。
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スキャナー・ダークリー(2006年製作の映画)

3.8


ディック原作。
クズは犯罪者のたわごとすら芸術と崇める...てな一文を何かで読んだが、中毒者の支離滅裂な会話が芸術かどうかは、三面鏡に立って右の自分と左の自分にそれぞれ話しかければ分かる話だ。勿論嘘
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

3.8

この世から「当たり前」の概念がひとつ奪われるとどうなるのか。
超現実主義の皮肉がゾッとするような喜劇を作り上げた。

豪邸の晩餐に招かれたブルジョワ達、何故か行動を反復したり
召使いや料理人たちがこぞ
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バーディ(1984年製作の映画)

3.8

アラン・パーカー監督作品はハズレがない。
ニコラス・ケイジの熱演と
Peter Gabrielの音楽が特に素晴らしかった。
魂が鳥の形をしていると
飛ぶ夢ばかり見るのだろう。
今にも壊れそうな純粋な魂
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小さな泥棒(1988年製作の映画)

3.4

気怠さとあどけなさが混在した
シャルロット・ゲンズブールの表情が危うくて。
満ち足りない繊細な雰囲気というか。
タイピストの専門学校で
浮いてる彼女が印象的だった。

いくら、もうオトナなんだ!
と言
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オズの魔法使(1939年製作の映画)

3.6

幼少期の記憶では
極彩色のミュージカルファンタジーという認識でしたが、
マンチキンの国や芥子畑の毒々しさは
アメリカの理想の裏側を垣間見たかのような。
大人になって鑑賞する「オズの魔法使」は
場面によ
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.8

青春地獄。

自らの青春を殺した
若き日の杉下右京は
焦燥に悶える親殺し。
出演者は相当追い詰められたんじゃなかろうか。
衝撃で始終体が震えっぱなしだった。
アタマの中でDoors「The end」が
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.5

恋愛の理想と現実。
恨みつらみを愚痴る主人公と
運命を信じなかったのに信じかけて失望するサマーのそれぞれの表情。
男女間の心情の機微。

君もThe Smithsが好きなの!?
これって運命!!?
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スピード(1994年製作の映画)

4.4

中2から今日まで、ダイハードと並び何回観たって絶対に面白い映画。
文字通りノンストップ知恵勝負。

エレベーターからバス、地下鉄と都会を縦横無尽に暴走させるスリルをキチンとルールを設定して作っているか
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眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

3.4

イギリス上流社会を描けば
右に出る者がいないジェームズ・アイヴォリー監督による、
格式高くも柔らかなタッチのラブロマンス。
30年ほど前の作品だが、出演者の殆どは今尚活躍している。
監督の選択眼が優れ
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プレデター(1987年製作の映画)

3.8

でっけえガトリングガンぶら下げたシュワちゃんら屈強な米軍兵士らが
ジャングル奥地でなすすべなく
一方的に狩られる図って
当時はありえなかったんじゃなかろうか?
強いアメリカ様はエイリアンだってぶっ飛ば
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.5

子供の時は、死や暴力と友情をなんとなく感じながら観た。
様々な経験を積んで大人になると、閉塞感や訣別をより深く理解するようになった。

4人組の友情物語で間違いはないのだが
ゴーディとクリスの友情がメ
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

カウリスマキの映画を観た後で吸う煙草は殊の外美味い。ポイ捨てはしない笑

「寛容」とは何か。SNSでの共感の数や心温まるストーリーを集めたサイトを閲覧することで「寛容」とは何かを知るのもいいが、まずは
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.5

社会の底辺に棲む者たちによる
スタイリッシュクライムストーリー
と言えば聞こえはいいが
知的障害の弟に犯罪の片棒を担がせ、
ジェニファー・ジェイソン・リーに保釈金にママの金を出すよう手伝わせ、
善意の
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MR.LONG/ミスター・ロン(2017年製作の映画)

2.8

真新しさがまるでない時代遅れな画。
海外受けしたいのか、日本文化をやたらに映し
既視感のある展開、強引な設定、細部はほぼ無視で都合良く進み、しかもテンポも正直悪い。
人物描写も中途半端だし
雑で冗長な
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

3.7

往年の名画を彷彿させる、モノクロの完璧な構図。
シックで品のある衣装。
整った横顔に浮かぶ憂いと疑念。
フランソワ・オゾンによる
一級品のメロドラマ。

婚約者を大戦で亡くし、灰色の世界を生きるドイツ
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全員死刑(2017年製作の映画)

3.6

てめえでケツ拭けるのが前提として、映画の中じゃ何やってもいいんだと久々に認識させてくれた邦画。

不埒にして不謹慎、
監督の炎上なんか知ったことかという情熱が伝わってくる。

短絡的で凶暴で母ちゃんに
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.4

スター達の華やかな共演をただ楽しめれば吉。
「フランケンシュタイン」が顕著だったように
ケネス・ブラナー自分大好きなんだな。
様々な言語をイントネーション完璧に操れる紳士な俺の演技やべーっしょwwと言
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パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.0

今年はエル・ファニングの可愛さに
魅了されっぱなしだった笑

高円寺に棲息してそうな
しみったれた童貞パンクス達。
Damnedで飛び起き
「メジャーデビューはクソだ!」
「CLASHは死んだも同然だ
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.4

世界一有能な数学者と
世界一幸福な数学者、
どちらを選択するか。
数学に関わる人の人生って
何故こうも波瀾万丈なんだろうか。
ブレードランナーの何も与えられず何者でもない苦悩と対極に
三代に渡る数学の
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.8

「裸の聖母がおまえの行く道を照らしてくれる 燃えさかる蝶のように」

おまえの目で見た世界が全てだと、迷わず生きろと、
迸る生命を宿し濃い色彩を得た詩が、
直接私たちを肯定する。

枯れ葉のような船で
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.4

その後の「ダンケルク」。
地味だが節度ある良作でした。

空襲にみまわれても
悲しい出来事が起きても
涙を一筋流しながら
毅然とした表情で前を向き
映画を完成させようと奮闘する
カトリンの逞しさにはす
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.8

過去の存在から送られてきた冷たいギフト。
開けようとして指を切り血が滲む
不穏な物語の始まり。

今年観た中で最も重い気分になる映画だった。
ジェイク・ギレンホールが
どんどんアル・パチーノ化していく
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

現代のサミュエル・フラー。

オープニングで意味深に流れる
Childish Gambino「Redbone」。
目覚めろ!ではなく
目覚めたままでいろ!と歌われる。
結局、人間が一番怖いな。
情報な
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.6

てっきりブロンディー「Atomic」使われてるかと思ったのに
それはないんすね...。
ボウイとイギーに映画館でよく出会う年だった。
贅沢に使用される80年代の曲の意味が鑑賞後にわかって、より面白くな
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.9


イケメンのペニーワイズなんてという心配も吹き飛ぶ面白さ。
旧作のペニーワイズは
モデルになったシリアルキラーの雰囲気まだあったけど
今回はモンスター化著しい。
やっぱり、もうひとつのスタンドバイミー
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いぬ(1963年製作の映画)

3.5

二転三転するクライムストーリーの説明を極限まで削るという、実に尖がった作品。
減量中のボクサーのように
乾ききった唇を閉ざし
考えの読めない鋭い視線でこちらを睨むから
疑心暗鬼が膨れ上がる。
とにかく
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.8

花に始まり、雪に終わるディストピア。
頭の中の妄想をこねくり回した既視感溢れる未来ではなく
細部まで意味を持ち、人心の荒廃と終末観が重くのしかかり、
霞がかかった燻んだ光景の
完全なディストピアを創造
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エタニティ 永遠の花たちへ(2016年製作の映画)

4.1

ルノワールの絵画に命を吹き込んだような、 美しい映像。
どれだけ審美眼が高いのかと感嘆してしまう光と色彩の混じり方に、洗練された完璧な構図に、そして人々の柔らかな肌の質感に、思わず溜め息が出る。
オド
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ドリーム(2016年製作の映画)

3.4

差別や偏見なんぞは、人間の進歩を妨げるだけだ。
女性主人公たちがあまりにも有能で
パワハラまがいなNASAの連中がマジ空気なんだが
そのくらい映画的誇張がないと説得力を持てないほど、当時は被差別が激し
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

マジック・リアリズム、その先にある現実への祈り。

屠殺されたブタの生き血で水浴びする
ガチョウの群れにハエがたかる。
鏡の前でゼンマイ仕掛けのように飛び跳ね続ける
メンドリがポコポコと卵を産む。
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.2

ノーベル賞きっかけで鑑賞。

キーラ・ナイトレイがややクドいかも。
アンドリュー・ガーフィールドは昔から苦悩する青年役が似合うなあ。

人は生まれた以上それぞれに役割があるのだろうが
それは各々自ら発
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ポルト(2016年製作の映画)

3.2

冒頭が「パターソン」ぽいのは
ジャームッシュ製作総指揮と関係はないのだろうが
粒子の荒いスーパー8や16ミリを使用しての絵葉書のような街のショット、稚拙なのか記憶の揺れを表現してなのかよくわからないカ
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