ヨコヤマさんの映画レビュー・感想・評価

ヨコヤマ

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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.4

世界一有能な数学者と
世界一幸福な数学者、
どちらを選択するか。
数学に関わる人の人生って
何故こうも波瀾万丈なんだろうか。
ブレードランナーの何も与えられず何者でもない苦悩と対極に
三代に渡る数学の
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.8

「裸の聖母がおまえの行く道を照らしてくれる 燃えさかる蝶のように」

おまえの目で見た世界が全てだと、迷わず生きろと、
迸る生命を宿し濃い色彩を得た詩が、
直接私たちを肯定する。

枯れ葉のような船で
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人生はシネマティック!(2016年製作の映画)

3.4

その後の「ダンケルク」。
地味だが節度ある良作でした。

空襲にみまわれても
悲しい出来事が起きても
涙を一筋流しながら
毅然とした表情で前を向き
映画を完成させようと奮闘する
カトリンの逞しさにはす
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.8

過去の存在から送られてきた冷たいギフト。
開けようとして指を切り血が滲む
不穏な物語の始まり。

今年観た中で最も重い気分になる映画だった。
ジェイク・ギレンホールが
どんどんアル・パチーノ化していく
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

現代のサミュエル・フラー。

オープニングで意味深に流れる
Childish Gambino「Redbone」。
目覚めろ!ではなく
目覚めたままでいろ!と歌われる。
結局、人間が一番怖いな。
情報な
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.6

てっきりブロンディー「Atomic」使われてるかと思ったのに
それはないんすね...。
ボウイとイギーに映画館でよく出会う年だった。
贅沢に使用される80年代の曲の意味が鑑賞後にわかって、より面白くな
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.9


イケメンのペニーワイズなんてという心配も吹き飛ぶ面白さ。
旧作のペニーワイズは
モデルになったシリアルキラーの雰囲気まだあったけど
今回はモンスター化著しい。
やっぱり、もうひとつのスタンドバイミー
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いぬ(1963年製作の映画)

3.5

二転三転するクライムストーリーの説明を極限まで削るという、実に尖がった作品。
減量中のボクサーのように
乾ききった唇を閉ざし
考えの読めない鋭い視線でこちらを睨むから
疑心暗鬼が膨れ上がる。
とにかく
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.8

花に始まり、雪に終わるディストピア。
頭の中の妄想をこねくり回した既視感溢れる未来ではなく
細部まで意味を持ち、人心の荒廃と終末観が重くのしかかり、
霞がかかった燻んだ光景の
完全なディストピアを創造
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エタニティ 永遠の花たちへ(2016年製作の映画)

4.1

ルノワールの絵画に命を吹き込んだような、 美しい映像。
どれだけ審美眼が高いのかと感嘆してしまう光と色彩の混じり方に、洗練された完璧な構図に、そして人々の柔らかな肌の質感に、思わず溜め息が出る。
オド
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ドリーム(2016年製作の映画)

3.4

差別や偏見なんぞは、人間の進歩を妨げるだけだ。
女性主人公たちがあまりにも有能で
パワハラまがいなNASAの連中がマジ空気なんだが
そのくらい映画的誇張がないと説得力を持てないほど、当時は被差別が激し
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

マジック・リアリズム、その先にある現実への祈り。

屠殺されたブタの生き血で水浴びする
ガチョウの群れにハエがたかる。
鏡の前でゼンマイ仕掛けのように飛び跳ね続ける
メンドリがポコポコと卵を産む。
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.2

ノーベル賞きっかけで鑑賞。

キーラ・ナイトレイがややクドいかも。
アンドリュー・ガーフィールドは昔から苦悩する青年役が似合うなあ。

人は生まれた以上それぞれに役割があるのだろうが
それは各々自ら発
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ポルト(2016年製作の映画)

3.2

冒頭が「パターソン」ぽいのは
ジャームッシュ製作総指揮と関係はないのだろうが
粒子の荒いスーパー8や16ミリを使用しての絵葉書のような街のショット、稚拙なのか記憶の揺れを表現してなのかよくわからないカ
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.7

被差別から逃れるために民族衣装を焼き捨てる彼女は
髪を劇薬で焼いて直毛にするマルコムXや
自らをどこの誰でもない根無し草と名乗る「GO」の在日北朝鮮人である主人公らと
同じ踠きを感じた。
人の優劣を脳
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.5

ドキュメンタリーとフィクションの狭間で繰り広げられる、過酷で無情な人間模様。
極東の凍てついた炭坑町と強制収容所に
こびりついた貧民や囚人の
一切の希望なき顔、顔、顔。
生活の余裕のなさが心の余裕と直
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ヘヴン(2002年製作の映画)

4.4

映画史上、最も清らかな逃亡カップル。
禁欲的で、言葉少なで、刹那的で。
ケイト・ブランシェットの
神々しいまでの美しさ。
青い瞳が涙で濡れて宝石のよう。
天上からの神の視点である俯瞰と
大聖堂を見上げ
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リバース・エッジ(1986年製作の映画)

3.9

本作にインスパイアされた岡崎京子の漫画を読んだことがある人なら、どういったストーリーなのかわかるかもしれませんが、どうしようもない虚無感に襲われてしまう映画である。
川岸の友達の死体を目にしても何の感
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あさがくるまえに(2016年製作の映画)

3.7

臓器提供及び移植を題材としたヒューマンドラマ。
青を基調とした映像が美しい。
冒頭の溌剌とし奔放な少年たちの街から海までの疾走、
そして波に揉まれるダイナミックなサーフィンのシーン。
少年たちのはずん
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リベリアの白い血(2015年製作の映画)

3.7

血は流れないのに、血の匂いがする。
ゴムの木から赤いバケツに滴る白い樹液。
内戦で飲み干したという赤いワイン。
その内戦での忌まわしい記憶が
具現化したかのような洗車のシャワー。
リベリアの地で生きて
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.4

西部劇を殺した映画と位置付けられている作品。
嘘塗れの武勇伝を吹聴する賞金稼ぎ。
女をいたぶるカウボーイ。
法の遵守の為に人を踏みつける厳格な保安官...。
皆一様に許されざる者。
ひとごろしの罪深さ
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ヒミズ(2011年製作の映画)

3.7

「立派な大人になってやる!」
染谷将太の絶叫がまだ胸に突き刺さっている。
住田がんばれ、住田がんばれ。

普通に生きたい、でもいつしかまともがわからなくなる。
取り返しのつかないことになって
いくら普
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

ワーグナーを弾くアンドロイドが
エイリアンを従属させ
ノコノコやってきた人間達を
うはwww釣れたwwww苗床いっぱいきたwwwwwよし殺そ\(^o^)/
と血祭りにあげまくる
やべー映画。
一言で感
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

4.2

大人になったら心が死ぬんだ。
なんとなく僕たちは大人になるんだ。

軽薄な80年代青春映画という先入観で
舐めてかかった自分を恥じます。
とんでもない名作だコレ。
これがなければ
「桐島、部活やめるっ
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ザ・ドライバー(1978年製作の映画)

3.8

ウォルター・ヒル監督によるカーアクション映画。
ベイビー・ドライバーがインスパイアされた作品として
最近その名前をよく聞くように。
ウォルター・ヒルがノリにノッてた時期なのがよくわかる面白さ。
ベイビ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.0

早起きは三文の徳...笑

登場人物が3人だけなので
大根役者やティーンアイドルだと
見るも無残な出来になるが
ジェニファー・ローレンスが
全部掻っ攫っていった感じ。
ローレンス・フィッシュバーン、ほ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

3.9

老母が中年の娘に過干渉し
支配しているやりとりから
不穏に始まる物語。
抑圧されて生きてきて
殴られないと愛情を感じ取れない、
恋愛対象なのか性的対象なのか
自分でも判断が出来ない。
途中からふと
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.9

トム・ハーディカッコ良過ぎ。
さすがマッドマックス。
V8ならぬロールスロイスエンジンだぜ。
今作のケネス・ブラナーに惚れて
軍服フェチに目覚めた淑女が多数の予感。

陸海空の三方向から
時間軸をずら
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ワンダーランド駅で(1998年製作の映画)

3.8

公開当時は洒落た雰囲気を楽しんだけど、
今は内容の知的さとボサノヴァの軽快さを理解できるようなって、
やっぱり好きだなこの映画。
隠れた逸品。
本を落として拾う時、書店主から
「本を読まずに閉じるもん
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シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.5

スウェディッシュ・ポップなのかは分からないが愛すべき音楽。
原色のインテリアとファッション。
そこに幾何学模様が北欧の淡い陽射しに溶け合い
重くもなる題材を優しく包んでくれる。
どうせ自分はアスペルガ
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エル ELLE(2016年製作の映画)

3.9

今年は映画館でよくイギーとその曲に遭遇する笑

恥なんかに負ける訳ないでしょ、
と当然のように言い切る
イザベル・ユペールは
善悪関係なく振り切れた高潔なる魅力があり、
ワンダーウーマンと並ぶ今秋の強
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

4.3

戦争を美化したがる輩には
鉄十字勲章を投げつけてやれ。

サム・ペキンパーの映画に
神話なんて何処にもない。
伝説、英雄、美徳、名誉。一切ない。
あるのは、
時代と、社会と、現代の価値観に
いつしか取
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パターソン(2016年製作の映画)

4.3

互いを思いやり、感性を尊重し合う夫婦の毎日がとても素敵だった。月曜に絶望とか、仕事辞めたいとか、唇からこころを擦り減らす言葉を漏らすより、その日一日に見つけた小さくとも美しい瞬間をポツリと呟くほうがき>>続きを読む

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

4.5

ミシガンのトレーラーハウスで育ち
クラスメイト達から家を揺らされ
馬鹿にされていた頃から
ロックの殿堂入りを果たして
壇上からスピーチをする近年まで。

「俺は俺だよ」

最後の言葉が嘘偽りなく
イギ
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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年製作の映画)

3.5


インディ・ジョーンズ、グーニーズ、ハムナプトラを
通過してきた世代だもの。
存分に楽しめたに決まってるじゃないか
オッさんだもの。

これぞ怪奇ユニバーサルな
ハッタリ効かせた大味さを
如何に楽しめ
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

3.9

バージニア州知事の
人種差別主義者達に対するコメントを聞いた日に、
ふと観たくなったのだった。
職人気質なアラン・パーカー監督による
苛烈なヘイト描写に、
思わず悔し涙が滲んだ。

ファーゴのオバさん
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