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図鑑に載ってない虫のsingerのレビュー・感想・評価

図鑑に載ってない虫(2007年製作の映画)
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「時効警察はじめました」のドラマスタートに伴って、
三木聡の監督作品を久々観て、振り返ってこうということで。

ん??
んんーーー?
や、なんか今こうして観返してみると、結構、小ネタがキツいかも。
というか、初めて観た当時、メッチャ楽しんだし、
伊勢谷友介も凄ぇカッコいいなぁ〜と思って、
DVDだけじゃなく、サントラまで買う程にハマった作品だったのに、
今回はちょっと冷ややかな目で見てしまった・・・。

なぜだろう?
もしかして、自分、ちょっと丸くなっちゃった?
こういうシュールさを感じる感性、無くしちゃった?
もはや、若い頃には持ってたエッジの鋭さとか、削がれちゃった?

と、いろいろ考えはしましたが、
歳取ってやっぱり感じ方が変わったのを実感したのは事実。
なので、今回は昔のレビューと比べると、
結構温度差がある感じになったと思います。

それでも、やっぱり好みの映画監督である事には変わりは無いし、
今作はラストは凄く良いんで、お気に入りのの作品であるんですけどね。

ということで、いよいよ放送当日だぁ!!!

と意気込んでみましたが、「時効警察はじめました」。
関西の放送時間、遅過ぎ・・・。
深夜2時50分って、昔のアメリカのドラマでも、ここまで遅くは無かったし
殆どの人がリアルタイムで観れへんやんかと。
ってことで、こっちは今深夜1時半過ぎ。
まだ、ドラマ開始まで1時間くらいあります・・・。

以下は、2007年12月にブログに書いたレビューです。
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「時効警察」の中でも、三木聡の手掛けたエピソードが抜群に面白いと、個人的には思っているので、
この作品も「絶対、面白い」という確信めいたものがあったのですが、
全くの期待通りというか。
面白い、笑える、そしてカッコ良い映画でした。
凄くシュールで、スタイリッシュ。
それが真っ直ぐじゃなくて、微妙にひん曲がってる感じ。
こういうのは、わかる人にしかわからないとは思うのですが、
持ってるセンスで評価が分かれるタイプの作品だと思いました。

三木聡の作品は、コメディでありつつも、何処かロック・スピリッツを感じる所があります。
今回の作品でも、劇中の音楽や、キャラクターのセリフ、
テンポの良いストーリー展開など、自由奔放でありつつ、
観る者を気持ち良くさせる部分が沢山あったなぁと。

キャストも良かったです。
脇役からチョイ役まで、関わる全ての役者が楽しんで演技している。
そして、各々のキャラクターが他のキャストの演技力を、自然と引き出している感じ。
結果、とても魅力的で個性的な登場人物として、
各々が磨き上げられているなぁと思いました。

主役の伊勢谷友介が、作品のカッコ良い部分や、わかりやすいロックな部分を担いつつ、ストーリーの中心に座り、客観的な眼で物語を作っていく。
その部分がハッキリと真ん中に「俺」としてあるので、
周りのキャラクターは持っている枠の中で、限りなく「変」な方向へ飛びまわっている。
音楽で言うと、サイケな感じ。
ルックスの良いヴォーカルが居て、声やパフォーマンスも個性的。
そんな理想的なフロントマンが居るのだけど、出しているサウンドは奇抜で幻覚的。
でも、聴く人によっては、とても気持ち良い。
音楽に例えるとそんな感じ。

小ネタも沢山出てきます。
ストーリーとの絡み具合も絶妙。
物語とは全く関係ないようでいて、「そこにそれが挿まれる面白さ」が、必然のように訪れる感覚。
三木聡にしか出来ない作品だと思いました。

やっぱり、「時効警察」好きな人は絶対観た方が良いと思います。
そうじゃなくても、ありきたりの邦画に物足りなさを感じている人や、「笑いたい!」という人には楽しめる作品なのではないかと。
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