・ジャンル
オカルトホラー/SF/スラッシャー
・あらすじ
舞台は2127年の宇宙基地ミノス
基地の設計者、ポール・マーチャントはシステムを掌握した罪に問われ女性隊員、リマーの尋問を受ける
リマーの問いに対して彼は一族の遠い先祖、フィリップ・ルマルシャンが魔術に傾倒する貴族からの依頼で作り上げたパズルボックスとその力を利用し呼び出された悪魔、アンジェリーク
及び彼女が召喚したセノバイト(魔道士)、ピンヘッドとの数百年にも渡って続く永遠に地獄の扉を開くパズルボックスの完成を巡った骨肉の争いに終止符を打つべく基地を罠にし彼らを呼び出した事を明かす
一連の悲劇についてフィリップが語り終えたその時、セノバイト達が監禁を解き一行に牙を剥き…
・感想
クライヴ・バーカーの産み出した痛みと快楽の案内人、セノバイト達や彼らを呼び出す鍵となるパズルボックスのもたらす惨劇を描く作品「ヘルレイザー」
今作は彼の手を離れ製作された2作目から続くシリーズの4作目で地球を飛び出し未来の宇宙を舞台としたストーリーであるのと共にパズルボックスの起源が明かされる内容となっている
ほぼ特撮スラッシャーと化していた前作の事もあって1作目のBDSMを通した苦痛と快楽の表裏一体さを表現する世界観とはまるで違うとは覚悟していた
それにしても未来の宇宙基地を舞台にするというのはあまりに元来の方向性とのギャップがあり過ぎてただただ残念
「ジェイソンX」じゃないんだから…w
一応、前作で最後に映されたパズルボックスの神殿と化したビルがポールの祖先であるジョンの建築した物とされていてその後を描いたパートが最も長い尺を占めているので宇宙描写は少なめではあった
それでもやっぱりセノバイトの冷淡さや畏怖の対象としての魅力が削がれていた事は否めない(これは前作も同様ではあったけど…)
普通にパズルボックスの神殿となった地下空間を舞台に1本作るんじゃダメだったのかな…
またこれまではセノバイト達のみがあくまで悪役として登場していたのに対してアンジェリークという元はセノバイトではなかった地獄の姫が出て来たのも蛇足感が強い
彼女のセノバイト化したビジュアルもやはり女性という事で1・2作目に出て来るフィメールの劣化版としか思えず…
せっかく妖艶な魅力のあるキャラなんだからそこをもっと反映して欲しかった
良かった点はこれまでと同様にゴア描写はしっかりしていた事
そして新たに登場するシャム双生児セノバイトのビジュアルがなかなかキモくて人間の殺し方もそれを十分に活かしていた事
この2つくらいかな…
ピンヘッドを筆頭としたセノバイト達や彼らを現世へ召喚するパズルボックスという世界観は確かに1作で終えるには勿体無い魅力のある物だとは思う
でもやっぱり前作からは特に話が陳腐化しているし設定が守られなくなっているしで続編を作るべきじゃなかったのでは、とどうしても感じる(1作目の世界観をちゃんと継承していれば別だけど)
今作だとセノバイト達はパズルボックスを自ら手にする事は出来ない、という設定をアンジェリークが平然と破っていたのがね…
そこの縛りがあってこそ前作の終盤でセノバイトがジョーイの亡き父に化けていたはずなのに…
今作まででシリーズの世界観はほぼ完結していて次作以降はどんどんただのホラー/スラッシャー作品となっていくと聞くので正直ちょっと面倒だけど一応完走はする
でも駄作と分かって連日観続けるのはしんどそうだなぁ…w