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トレマーズのTakaCineのレビュー・感想・評価

トレマーズ(1990年製作の映画)
4.0
【西部劇と地底怪獣】
良い意味で、緩くて笑えて適度にハラハラできるお気軽モンスターコメディー。全体に漂うおバカ映画感が好きですね!オモロイ!

何か最近、デカイ物に襲われる映画ばかり観てるなあ😄(気のせい!?)

評価も良くて観たいなあと思っていたら、ちょうどNetflixで配信開始。観ることが出来ました。

〈西部劇な2人〉
まず驚くのは、バル役ケヴィン・ベーコンの若さ(鼻の穴の大きさじゃないよw)、当時30代で細いし、身軽だし、髪がふさふさでライオンのたてがみ状態(笑)今や悪役が似合う大御所俳優ですが、この頃はアイドルっぽい爽やかさと躍動感がありましたね。

相棒アール役フレッド・ウォードは、頼り甲斐のありそうな渋いオッサン、と思いきや、ものぐさでせこくてずるいです(あれ、良いところない!?)ただ、バルに向ける兄貴のような眼差しは凄く優しいし、バルより冷静沈着。

雰囲気はジャック・レモンとウォルター・マッソーのような凸凹コンビ。生業は何でも屋で、飯と酒にありつければ御の字のその日暮らし。でも、はきだめ掃除みたいな雑用の日々に飽き飽きして、町を出ようとします。

そんな矢先、町外れで不審な死を目撃した2人。その後、地底怪獣の最初の目撃者になってしまい、即席の自警団(と言っても10人くらい)リーダーに昇格(?)

リーダー格になったバルとアールですが、襲われてるのに緊張感があまり無いんですね😄♪能天気というか、アホさが滲み出ているんです(笑)

仲間が地底怪獣に食べられた直後は悲惨で深刻なのに、いつの間にかこの2人の緩い会話で緊張感が吹っ飛びます!他の住人もどこか抜けていて、どうも深刻にならない。まぁ、その軽さがいいですけどね😁💕

緊張と緩和(4対6)が織り成す独特の雰囲気が溜まりません!

迷ったら、じゃんけんぽ~ん✌️✋

こんな凹凸コンビですが、熱い主題が隠れています(隠れてはいないけど)。それは西部劇でもよく描かれる「若者の成長物語」です。

若者が年長者の助けを借りながら、試練を乗り越え、一人前の男に成長する物語(女性の心もゲット!)。

西部劇の名作『赤い河』では、
モンゴメリー・クリフト(若者)
ジョン・ウェイン(年長者)

本作『トレマーズ』では、
ケヴィン・ベーコン(若者)
フレッド・ウォード(年長者)

軽口をたたき合いながら、言葉では一切出さない確かな男たちの友情。

いつも面倒な事はバルにやらせていたアールが、ある時を境に、危険な任務をバルにやらせないで自分でやろうとします。

その理由は、偶然出会った大学院生ロンダ(フィン・カーター)の存在。

バルの兄貴であり、父親代わりでもあったアールが、一緒に行動するうちに芽生えたバルとロンダの恋仲に気付いたからです。

地底怪獣に挑みながら、逞しく成長するバルが眩しい☀️

アールの若者2人を見守る温かい目、この目が好きでしたね😉♪

砂漠と岩の風景、厳つい男たち、勇気が試される試練、守るべき女性、成長する若者…まんま西部劇のようでした。

〈変な住人〉
登場する町の住民が、超個性的なところも好きです。その中でも1番のお気に入りは、なんてったって「ミリタリーおたく夫婦」です(車のナンバープレートが「UZI 4U」だし)。

日常生活なら絶対に会いたくない「最凶夫婦」ですが、サバイバルなら絶対に会いたい「最強夫婦」です。

地底怪獣に臆することなく、銃弾をぶちこむ"コマンドー"夫婦‼️

●バート(ミリタリー狂の夫)
夫役の俳優に見覚えがあると思ったら、なんと『ファミリータイズ』の優しいお父さん役だったマイケル・グロス。真逆の男臭い特攻野郎バートに扮していて、その意外性に驚きましたが最高に似合ってました。彼は全シリーズに出ているようです。

他に気になった住人は、

●ウォルター(店の親父)
80年代の中国系おじさん役と言えば、ヴィクター・ウォン(『ラストエンペラー』)。この人、西部劇映画のバイプレイヤーだったウォルター・ブレナンみたいで、強烈な個性がありますね。愛嬌があって、どこか怪しくて…ただ本作ではもっと活躍してほしかった😢(地底怪獣のネーミング決めは大事だけど)。

●ミンディ(ホッピングガール)
地底怪獣を逆撫でする(?)この少女は、後に『ジュラシック・パーク』で地上怪獣に遭遇するレックスを演じたアリアナ・リチャーズ。

〈見所は地底怪獣の特撮〉
CGがない時代の精巧なアニマトロニクスやミニチュアを駆使した、工夫満載の特撮技術が素晴らしい😍‼️

地底怪獣の癖のある動きが、もう最高🎵

地底から突然出てくるエイリアンエッグみたいな頭、カサカサゴツゴツしたボディー、滴るネバネバした体液、口から伸びる触手のニョロニョロ動きがおぞましい😁

CGと違ったゴツい存在感があって、凄く脳裏に残ります(笑)

怪獣が地中にいることも多く、全身像をあまり出さないので、制作予算削れたよね(賢い)♪

怪獣目線の地面スレスレを猛スピードで駆けるカメラ、地面が波打ち次々めくれる床板(この場面、好きですね♪)、バート家の地下室で繰り広げられる至近距離の銃撃戦が迫力があって楽しい(怪獣の出方が、遊園地のアトラクションぽくて笑える)‼️

スピーディーな演出とたまにグロい描写(ヘルメットと食べ散らかした跡とかシュール)で、飽きさせません😉

まあ変な所は、とことん変ですけど…

地中なのに妙に動きが速すぎ!
屋根のウネウネ感が激しすぎ!
女の子と子供が襲われなすぎ!
怪獣の誕生も正体も不明すぎ!
ベーコンの鼻の穴が大きすぎ!
(最後は関係ないです)

でも1番言いたいのは、何でベルトも靴も食べてるのに、ヘルメットだけ残すんだよぉ(謎)?

いろいろ書きましたが、こんなに楽しいモンスター映画は珍しいですね😁!気軽な気持ちで面白いのを観たいなあ~なんて時に確実に合う作品。

『MIB』、『ザ・グリード』、『アナコンダ』好きなら、ぜひ観てみてください😉♪
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