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夜行列車のmingoのレビュー・感想・評価

夜行列車(1959年製作の映画)
4.3
オールタイムベスト群に名を挙げるべき、列車という密室で繰り広げられる恋愛とミステリーが入り乱れるグランドホテル形式の傑作。ポーランド映画祭2017オープニング作品。スコリモフスキ監督本人がひと笑いとったところでスタート。冒頭のワルシャワ駅の行き交うひとの頭上から捉えた俯瞰ショットたまんないなぁと思ったら、後半あるシーンでシンクロを帯び、カット運びの死角のなさ半端ない。メインとなる相部屋の2人の男女はそれぞれ謎を含んだままストーリーは進行し、一癖も二癖もある列車の廊下に立ちこっちをジッと見てくる人々、列車の窓や鏡を利用したショットの数々から繰り出される細かい描写が凄まじい強度を誇る。収容所を思い出すから二段ベッドでは寝られないという台詞にも戦争の影が垣間見える。

何より本作が映画として1番良いなぁと思うのは、駅から海が見える終着駅に着くと、再び元の見知らぬ他人となって散っていくラストの余韻の良さである。朝の虚脱感、気怠さ、見憶えしかない。まるで僕らの人生のようだ。そう、ここで思い出されるのは「さよならだけが人生だ」である。もう感無量である。DVD欲しいしプレゼントで贈りたい。傑作傑作傑作!

てか今日の「早春」観れなくて辛すぎた、、、立ち見券だしてよ!
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