efn

どですかでんのefnのレビュー・感想・評価

どですかでん(1970年製作の映画)
4.1
 黄色い電車を運転し家計を支えている夢を観ながら、その未熟さを憂い祈る母を馬鹿にする知恵遅れの子、赤い造花を拵え内職に汗を流す娘とそれを叱咤する無職の酒乱、我が子に乞食をさせながら淡い青い夢の世界で巨大な別荘を建築する浮浪者。
 黄、赤、青色、彩られた世界は美しいがどれもが犠牲の上に成り立っている。それ故に逆説もその死によって構造が明らかになる。娘が自殺を図れば警察が、子が食中毒で死ねば浮浪者は食い扶持を失う。夢のような映画だがそこに逃げ場はない。恐ろしい作品だ。
efn

efn