カウリスマキは三原色を差し色にする癖があんまり好きではないんだけど、これはそれを逆手に取った色の使い方をしていてかなり好きだった。
定石どおりに赤い服を着た女は男とつきあうためにその場に帽子を脱ぎ捨てる(職を捨てる意味合いもある)し、真っ白いオープンカーは物語が終わるまで閉じない。オープンカーは物語の終盤で相棒が白い幌を棺桶の蓋代わりにしてしまうんだけど、開閉、補完の表現が扉云々だけではなく色の有無にまでも及んでいる。
ギャグについては相棒が挨拶代わりにハンドグリップをカチャカチャやっているのが好きだった。コントラクト・キラーではコンロのスイッチをいじくりまわしてたけど、カウリスマキは手先でごちゃごちゃやる動作で笑わそうとしてくるのが好きなのだろうか。