円柱野郎

スパイダーマンの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

スパイダーマン(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

マーベル・コミックを代表するヒーロー、スパイダーマンの出自と活躍を描いたシリーズ1作目。

アメコミ実写映画は子供の頃に「スーパーマン」シリーズや「バットマン」シリーズをTV放送で観て育った身なので、自分としては90年代末頃にはそれらのシリーズの終焉を見て「アメコミ映画もイマイチになったなあ」といった印象を強めていた時期でもありました。
本作はそんな時に観た1本だったのだけど、一見して「これはすげー!!」と見事にハマった作品だったね。
公開当時学生で若かった自分は、この映画で描かれるピーター・パーカーの青春模様に一層シンパシーを抱いてしまったというのもあるかもしれないけど、もちろんオッサンになった今観ても面白い。
スーパーパワーを手に入れて調子に乗ったり、親友の恋路に微妙な感情を抱いたりといったピーターの見せる人間的な面が良いじゃないw

スパイダーマンとしてのピーターの行動原理は“自分が原因で(間接的に)伯父のベンを死なせてしまったこと”への後悔であるけど、伯父さん役のクリフ・ロバートソンのなんとも言えない“いい伯父さん”の感じがあればこその説得力だよね。
ほんの少しの出番でそう思わせる演技はすごいなと思ったわ。
役者ではJ・K・シモンズの編集長がハマりにハマって可笑しくてしょうがないけど、やっぱり一番の快演(怪演)はウィレム・デフォー。
鏡に向かって話ながらノーマンとグリーン・ゴブリンを切り替えるところシーンはお気に入り。

映像的に特撮とCGの区別がつく部分もあるのはご愛嬌だけど、当時最先端のCGによってウェブ・スイングなどのアクションで効果的にスピード感を上手く出していたのが気持ちが良かったなあ。
少なくとも、映像面でもドラマの面でも2000年代以降のヒーロー映画の基準を作った一本であることは間違いないですね。
円柱野郎

円柱野郎