KouheiNakamura

激動の昭和史 沖縄決戦のKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)
4.0
老婆と戦車。


岡本喜八監督のエネルギッシュさ・アナーキーさが全開の戦争映画。映画前半は会話劇としての側面が強く、ナレーションも多め。沖縄が如何にして地上戦の場となったのかが淡々と、しかし着実に描かれていく。後半からはひたすらに戦闘、及びそれに伴う犠牲が描かれる。しかし死をドラマチックに描くことはせず、岡本喜八監督の視点はあくまでドライ。滅亡に向かう人々の人間模様は圧巻。自決することを選ぶもの、投降しようとするもの、他を生かそうとするもの、殺そうとするもの…。
何よりもこの映画の白眉となるのは、戦車と老婆のシーン。こればかりは実際に観ていただきたい。戦争への怒り、無常観、諦観、狂気が入り混じった名シーンだ。

観るには覚悟がいる一本ですが、オススメです。「日本のいちばん長い日」と併せて観るのがいいと思います。
KouheiNakamura

KouheiNakamura