撲殺

ムトゥ 踊るマハラジャの撲殺のネタバレレビュー・内容・結末

ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

痛快!ザ・大衆娯楽映画

実は私はこの映画を少し変わった方法で観た。それは地元の映画館で開催されていた「マサラ上映」だ。本場インドの上映スタイルを再現したマサラ上映は
・鳴り物OK
・ヤジ、応援、ブーイングOK
・ダンスシーンで立ち上がって踊るのOK

という何とも凄まじい上映スタイルだった。マサラ上映初参加の私はビビって全くマサラ上映ならではのギミックを楽しめなかったのだが、そんな異様な雰囲気の中で観たこの映画は素晴らしかった。

まず話が本当に分かりやすい。ムトゥという金持ちの召使いは主人が一目惚れした女ダンサーと恋に落ちてしまい忠誠と恋心の間で揺れる。しかしムトゥが悩んでいる隙に悪者が登場。ピンチになるもムトゥが悪者をぶっ倒してめでたしめでたしという話だ。

しかしこの映画、やたらと画面が暑苦しい。主演のラジーニ・カントが常に黒光りしているせいかそれともマサラ上映の熱なのか映画を観ている最中は常によく分からない謎のエネルギーに包まれている感覚だった。

勧善懲悪ものなのでブーイングやヤジもすごい。それだけ悪いやつは悪い!良い奴は良い!とハッキリ描き分けているので変に頭を使うことなくリラックスして楽しめる映画だ。

あとは何と言っても歌とダンス。楽曲が全部キャッチーなのが素晴らしい。特に恋に落ちたムトゥと女ダンサーのランガが辿り着いた村で踊り狂う「クルヴァーリ村で」は屈指の名曲だ。

マサラ上映をやっている映画館は中々無いだろうが、家を薄暗くして男はターバン代わりのバスタオルを、女はサリー代わりにシーツでも被って踊りながら見るのも良いだろう。
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