撲殺

デスプルーフ in グラインドハウスの撲殺のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

最高の映画。


前半はスラッシャー、後半はド直球のカーアクションが展開される。

まずこの映画で大半を占めるのが女の子たちの会話。それもレザボアやパルプ・フィクション等で展開される興味深い会話ではなく、「あの男とどこまで行った?エッチした?」みたいなくっだらない内容ばかり。
けれどその会話の中に登場人物たちの職業や価値観が散りばめられているので、結果的に各キャラクターを理解するのがとてもスムーズ。


敵役であるスタントマン・マイクもこれまたナイスキャラ。車で女の子を殺して気持ちよくなる変態殺人鬼ではあるんだけれど、私は彼の気持ちが少し分かる。

劇中でスタントマン・マイクが狙う女の子は皆いわゆる「一軍」女子たち。強そうでイケてる女の子を狙う。
そういう女の子たちに混ざって楽しくお喋りしたい!俺もあの輪の中に入りたい!みたいな感情が歪んだ結果殺しちゃうんだろうな~と勝手に納得してしまった。


ダラダラ会話が結構長いので人によってはそこが苦痛かもしれないけれど、ラスト20分は映画史に残るシーンだと思う。「The End」の文字が出た時、絶対拍手するだろうから、最後までちゃんと観てね。


タランティーノ作品に共通することだけれど、劇中歌が物凄くいい。エンドロールで流れる「chick habit」を始め、魅力的な音楽が盛りだくさん。見終わったあとに気づいたらAmazonでサントラを買ってた。
何度も何度も何度も見返したくなるタランティーノ屈指の傑作、ぜひご覧あれ!
撲殺

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