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ミッション:インポッシブル3のトルーパーcomのレビュー・感想・評価

4.0
ミッション・インポッシブル映画シリーズの第三作。『MI:フォールアウト』公開にあわせて復習観賞。

世界興収ではシリーズ6作中いちばん低かったが決してハズレではない魅力ある映画。この後のシリーズ4作すべてに関わるJJエイブラムスを監督に迎え製作された。

<以下、ネタバレあり感想>

◼︎イーサン・ハントの転換
M:I 2はとにかくアクションが派手な作品だったが、その反面で秘密道具や知恵を駆使したチームワークはあまり見られず、超人イーサンが無双する映画という印象だった。

2の6年後に公開された本作では、イーサンは後進指導の教官に転身しており、任務も様々な道具や知恵を駆使してのチームワークで遂行。

そして今回はイーサンにジュリアという弱点が登場。
イーサンの人間的側面を取り戻すことで、映画のスリルと楽しさが復活した。

◼︎スパイ映画的な魅力
本作はチームワークによる様々な作戦が展開される。イーサン個人ではなく終始チームで挑戦。
そんな本作で、今やシリーズに欠かせない主要メンバーとなったサイモン・ペグ演じるベンジーが初登場したのは必然といえる。

フォールアウトを観た後で3を観ると、ベンジーが初めてイーサンを誘導するシーンが感慨深い。

潜入や破壊に様々なアイテムが用いられるのも楽しい。なかでもバチカンでの作戦は素晴らしく、特にシリーズの象徴ともいえる変装マスクの秘密が映像で描かれたシーンは最高だった。

オープニングの遠隔操作機銃や、マグネット?でくっつく爆弾も魅力的。

◼︎細かく丁寧な演出
作品ごとに監督を変えてくるM:Iシリーズ。
連続ドラマを得意とするJJらしく、序盤のフリが後半とつながる細かい仕掛けや、セリフで説明してから絵を見せるなどの演出が満載。

・のっけから大ピンチのシーンでスタートし、後半でそこに戻った上あっと言わせる演出

・パーティで見せた読唇術をピンチ脱出のキーに使うスマートさ

・僕を信じてくれ→ラストへのフリ

・オープニングで爆弾により死亡するキャラと、その救出方法を映像で見せているので終盤の緊迫感倍増

・リンジーからイーサンへの黒幕情報の伝達が意外などんでん返しとなるよう演出

・「残弾は?」「弾切れだ」のカッコよさたるや

・ラストアクション、イーサンの説明的セリフでジュリアと観客にまず理解をさせ、直後にその通りに対応し敵を倒す様子を映像で見せる親切設計

◼︎キャラクター
悪役のデイヴィアンが最高。
一切交渉に応じない姿勢本当に恐ろしい。シリーズ最高の敵だと思う。

女スパイのゼーンもスタイル抜群でステキ。ただ、任務では割と足を引っ張っていたが(^^;

◼︎その他好きなシーン
・道路塞がれたらブチ切れるも、復旧したらすぐウキウキになるイタリア人たち好き。

・塀の壁を垂直に駆け上がるイーサン好き。これ次作で下りverあるよね。

・塀の内側に降りるのになんの意味もなく1と同じ姿勢で降りるの好き。必要な無意味。

・牧師イーサンかわいい

・ミサイルの爆風で横に飛ぶの好き

・リンジーを指導した様子が10秒ほどの回想シーンで語られるのよい。JJはこういうのうまい。

◼︎減点ポイント
・仕込みと回収を多用しすぎて、説明的セリフやわざとらしいカットが多すぎる気もする。

・ジュリアとの関係が最初から出来上がってるので若干感情移入しづらい。
逆にリンジーは登場してすぐにイーサンと見事な連携を見せ、師弟関係の深さを映像で見せてくれている。もう少し、ジュリアがイーサンを本当に理解し愛しているんだというのを映像で見せて欲しかった。

◼︎スコア
★4.0で!
若干ドラマっぽい感じがして、映画ならではのスケール感が弱い気もしますが、うまくまとまっていると思います。
上海の雑踏を走り抜けるシーンは素晴らしかった。
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