#シックスティ・ファイブ
アダムドライバー主演のSF+恐竜映画。
遠い昔 遥か彼方の銀河系からアダムさんが我々の太陽系にやってきてたよっていうお話。
共演の子役は『アベンジャーズ/インフィニティウォー 』でガモーラの少女時代を演じた子。
◆ヌボかわいいアダムさん
アダムドライバーの魅力って、力強さの中にもなんだか愛嬌があるヌボーっとした可愛げな雰囲気にあると思う。
あの巨体のせいで若干デクの棒感あるのに、トロい/ノロマ的な印象とはまたちょっと違う、謎の可愛さがある。
今作も、状況的にはけっこう絶望的な場面の連続なのに、アダムさん演じる主人公ミルズの細かな仕草/表情になんだか癒されてしまいます。
宇宙モノで、絶望的な状況なのに妙な明るさがある映画というと、マット・デイモン主演の『オデッセイ』が代表的。
オデッセイは、冷静で明るい主人公がポジティブ思考で苦難を乗り越えていく痛快作品なのでオススメです。
対して本作65の主人公は、本人は悲壮な面持ちで至ってクソ真面目に事態に対処していっているだけなのに、真面目にふざけているマットデイモン以上に面白く見えてしまう謎。
アダムさん好きならニコニコな映画だと思います。
ただ、本作はSFでありながらホラー要素が強めな作りなので、これでいいのかという疑問は少々ある。
◆恐竜
莫大な予算をかけた映画ではないので、恐竜の出番はジュラシックシリーズほどではないですが、それでもポイントポイントでのCGはそこそこクオリティ高かった印象。
6500万年前のちきゅう恐ろしすぎる。
◆SFガジェット
本作の主人公は我々の地球よりはるかに文明の進んだ星からやってきた異星人という設定。
恒星間航行可能な科学力がある種族ということで、主人公の用いる光線銃/爆弾/センサーetcはどれもそれなりにカッコよくてまあまあ満足できました。
＜以下、ネタバレあり感想＞
◆ミルズ&コア
本作の最大の問題点は、ほぼ2人しかキャラクターが登場しないのに、90分観終わってもこの2人の間にさほど強い絆が生まれたようには感じられなかった点にあると思います。
両者の行動→結果に、
「彼のおかげで助かった」
「彼女がいたから逃げ切れた」
「互いの存在が自分を成長させた」
的な関連性が希薄だった気がします。
(1)爆弾の件
道中、ミルズ→コアに「何かあったらこれで身を守れ」と渡される複数個の小型爆弾。
この爆弾をどこでどう使うのか！？？って期待してたんですが、その後ミルズが岩の中に閉じ込まれてしまってもコアは爆弾を使って助けるでもなく立ち去ってしまう。
で、せっかくの爆弾を1匹のラプトル倒すために全部一気に使っちゃうというwww
いやもっと大物から逃げるのに使うんじゃないんかと。
ラスト、最大の敵ティラノサウルスからミルズを助けるためにコアが戻ってくるわけですが、あのシーンで爆弾を使った方が良かったんじゃないかなと思う。
(2)イチゴの件
イチゴみたいな毒塗っただけの牙でT-Rex倒せるって絵もうーんな感じ。最強の恐竜がそんなんで？
ラストをこれでいくなら、序盤でコアが不用意にイチゴ毒に触れたことでミルズがピンチになる/毒の身は危険だから絶対近付くな捨てろって説教される的なくだりとかあるとよかったのに。
(3)言語ギャップ
翻訳機が壊れて、互いの言語が理解できないっていう設定はとてもよかったと思うけれど、この興味深い設定がさほど活かされてなかった気がする。
似た音で意味が逆の単語があってトラブるとか、なんか仕掛けが欲しかった。
◆恐竜ホラー
クワイエットプレイスの製作陣が手がける恐竜SF！
ってことで、震え上がるほど恐ろしい恐竜演出を期待してたけれど、さほどでもなかった印象。
大きい音でびっくりさせる的な演出程度で、「ここ驚かせ方は新しいな！」って場面はなかった気がする。
クワイエットプレイスはあんなに斬新だったのに。釘とか。
あと、恐竜の赤ちゃんのくだりとかラストのT-Rexの最期とか、若干グロ悪趣味な感じもあんまり好きじゃなかった。
恐竜たちは何も悪くないのに。
ジュラシックシリーズは、そのへん恐竜へのリスペクトがあるので、差が見えてしまって残念だった。
◆その他
・ミルズの母星、崖の岩がうねってるの好き
・のっけから小惑星帯突入のスターウォーズ感
・目的地などをサーチするメカ超好き
・肩脱臼ハメて→即戦闘モードに復旧するアダムさん最高
・木から落下して地面に腰を打ち、痛すぎると苦悶のアダムさん最高
・見張りメカセット後→「寝るんだ」とコアにボディランゲージするおやすみアダムさん可愛すぎ
・娘がメッセージだけでだんだん悪化してくくだりなんとなくインターステラー感ある
・最後脱出する船に恐竜1匹くらい乗ってて欲しかった
・最後T-Rex倒した間欠泉みたいな噴射、なぜ2発目だけ即死だったのか謎。最初のが温泉で2発目が溶岩とかなの？
クライマックスが運任せなのか...なんだかなあ
◆スコア
★2.5くらいかな。
特に酷いなってところがあるわけではないけれど、まあ凡な映画だなって思っちゃいました。
◆パンフレット(880円)
主演2人と監督のインタビューはそれなりのボリュームで載っています。内容は並。
表紙がキラキラしてました✨
