滝和也

20世紀少年<最終章> ぼくらの旗の滝和也のレビュー・感想・評価

3.4
グータラーラー♫
スーダララー♪
カレーライスの歌
が鳴り響く…
そこはともだち暦3年…

破滅の淵に立つ人類の
命運を握るのはあの男…。
ともだちは果たして誰?

「20世紀少年 〈最終章〉
 ぼくらの旗」

浦沢直樹の人気長編漫画を三部作にしたプロジェクト最終章。兎に角やりきったという所だろう。きっちり原作とは違うもう一つのラストを描いた事は映画化に当たって良かった点だろう。ともだちは誰なのかと言う点がメインのミステリーだけに、そこを変える事で興味を惹かれたのは事実。またラストの締めくくりの余韻が僕は好きだった。

ともだちの再びのバイオテロは成功し、約20億人の命が奪われた。西暦はともだち暦と変わり、世界大統領となったともだちの世界征服は完了した。かんなは氷の女王として反抗組織を造り武装蜂起を呼びかけていた。その頃、聞けなくなったラジオからあの男の歌が流れ始めていた…。

世界いや完全に人類を滅亡させるために動き出すともだち…それに対抗するユキジやオッチョ、ヨシツネ、そしてカンナ。昭和40年代に作り変えられた東京を舞台に緊迫したシークエンスが続き、そこまでは○なんだが…。

正直…ウッドストック的になってしまう辺りから、茶番が前に出すぎてきて萎えてしまう…。まぁ、その手のシーンは嘘っぽくなる上に無理無理になりがちなんですよね…。まぁこの作品自体がとてつもない妄想と茶番に支えられてる名作だから良いのかな(笑)僕より少し上の世代の妄想とノスタルジーが爆発してるんですよね…そもそも。

全世代に言える部分…ともだちが何故こんなになってしまったのかの部分は人の本質を捉えていて…共感してしまう。

この部分…実はドラえもんでも似た話があって心理をついてます。独裁スイッチと言う話。自分をイジメたり、不快にさせるひとを消せる、しかも初めからいなかった事にできるスイッチで…結果のび太は自分以外全て消してしまうと言う怖目な話。

そうともだちも全て消そうとする…嫌なことがあったとき…誰もがみんないなくなってしまえばいいと思った事があるはず…。その嫌なことってした方は覚えてないレベルかもしれない。人は必ずヒトを傷つけるから…。この辺で自分の事を誰もが考えるはずで…傷つける側か傷つけられた側かはわかりませんが…。それを考えさせただけで作品として意味があったと思います(^^)故に…このラストは訴えかけてくるものがあって余韻が良かったかなと…思います。

ビッグプロジェクトだけに、まぁ豪華なキャストで端役にも現在目立つ方が…今作は斎藤工か(笑)前作忘れてたけど一瞬だけ吉田羊出てましたね。

僕はカンナ役平愛梨さん良かったかなと思いますが…その後のバラエティ中心の売り方失敗でしたね。代表作はこれだけになってしまってアモーレになってしまいました。まぁ彼女のおかげで日本サッカーは躍進したかもしれませんが(笑)

結果として…余りにも漫画的で妄想極まれりのエンタメ作品でしたから…どの俳優さんも代表作と言わず…今や忘れられていた大作みたいになってますが…原作をもう一度読みたくなりましたし、悪くはないかなと僕は思います…(^^)
滝和也

滝和也