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ベニスに死すのKeNのレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
3.2
NHK BSプレミアムシネマの録画にて。これまた かなり久しぶりの再見。

「美は自然に生まれる。我々の努力を全く無視して。芸術家の想像を超えて存在する。」by アッシェンバッハ

まさしく その通り。

全編通して流れるマーラーの「交響曲第5番」の第4楽章アダージェットと、ビョルン・アンドレセン演じる美少年タージオの妖しい美しさがどうしても印象に残ってしまうイタリアの名匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の代表作のひとつ。
決して差別するつもりはないのだが、自分は生理的にどうも同性愛的なものが苦手で、ヴィスコンティやトーマス・マンの作品は好きなのだが、この作品は昔からどうも苦手だったなぁ…。

とは言っても、これまた私の大好きなマーラーの「交響曲第5番」の第4楽章アダージェットをバックに、まるでドガやマネなど印象派の名画を眺めてるようなヴィスコンティならではの美しい映像には非常に惹きつけられる。ムソルグスキーの子守歌『安らかに眠れ、農夫の子よ』を使うあたりもヴィスコンティならではのセンス。キューブリック同様 クラシック音楽の使い方がヴィスコンティは最高に上手い映画監督だと思う。

いずれにせよ、今は日本でも『おっさんずラブ』のようなドラマがもてはやされる時代だから、このヴィスコンティの作品はスムーズに受け入れられるんだろうなぁ。名優ダーク・ボガードの妖しい怪演も…(笑)

あぁ、またヴェネチアに行きたいな~♪
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