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横道世之介のkoyaのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
4.5
時代は1980年代後半。
長崎から東京へ出てきた大学生、横道世之介。
人なつっこくて、情に厚くて、純粋で、お人よしの好青年。

様々なエピソードが出てきますが、途中、皆、横道世之介を思い出す「現在」が出てきます。

ラブコメにありがちな平凡な女の子がハンサムな男の子から一方的に肯定され愛される......ではなく、決して裕福とは言えない世之介は一方的に無条件にかわいいお嬢様、祥子に愛される。

世之介を演じた高良健吾の朴訥ぶりに比べて、いつも白いタイツをはいているお嬢様、祥子を演じた吉高由里子がとてもとてもかわいらしくて。

「ごきげんよう」と誰にでも挨拶し、「世之介さーん」とかなり積極的に突撃してくるかわいらしさ。
オーディションなしで、この映画の演技でNHKの朝ドラ『花子とアン』の主役に抜擢されたのもうなずけます。

告白するときのカーテンくるくるには笑ってしまいましたが、とにかく若い2人のおつきあいがいつまでも続けばいいのに......と思わざるを得ません。

観客を幸福にさせる映画というのは実はなかなかなくて、映画の主人公はハッピーになっても誰かを犠牲にしていたりします。
この映画は映画の中の人々を幸福にし、そしてそれを観る観客も幸福にする。

人を助けるために生まれてきたのかな?世之介くんは。
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