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横道世之介のharuのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
4.3
横道世之介は長崎から進学のために東京に出てきた、なんともマイペースで真っ直ぐで素直な青年。
彼と出会った人たちはみんな彼との出会いに特別な感情をもっていた。

彼と出会えた分だけ自分は他の人よりも得していると言う友人。
彼が自分の子供であったことが一番の幸せであると言う母親。
出会う人みんなに愛された1人の男の人生と、彼に関わった周囲の人々についてをゆっくりたっぷりと感じられる暖かい映画だった。

2時間40分という邦画では珍しい長尺。
しかしながら長尺で良かったと思える映画も珍しい。

それは彼の世界観に、観る人みんながずっぽり入り込んでしまうからだろう。
彼のゆったりとした人間性を作品全体の世界観にするためなのか、セリフの無いシーンで充分過ぎるほどゆっくりと間をとっているシーンが多いように感じた。
しかしそれを大切にしたからこそ、この作品が長尺になるのは必然だったのだろうと思う。

そして間延びしそうなタイミングで現在と過去の時系列がうまく切り替わり、その度にぼんやりとした作品の全体像がはっきりとしていくのを感じられたからだと思う。

正直、あまり知らなかった作品。
思いがけずこういう素敵な作品に出会えると、何か得した気分になる。
自分にとっても、出会えてよかった「横道世之介」。


どうでもいい話だが、ところどころラバーガールの大水が出演している。
なぜかその度に嬉しい気持ちになったので、実は自分は隠れ大水ファンだと気づいた。どうでもいい話だが。
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