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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのharuのレビュー・感想・評価

5.0
【ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア】

「天国ではみんな、海の話をするんだ。」

余命わずかと宣告された2人の男が、
たまたま同じ病室で出会い、
大量のレモンに囲まれテキーラを飲みながら話した天国の話。

海を見たことがないまま天国に行ったら、
天国で自分だけ除け者にされてしまう。

だから海を見に行こう。

そんな目的で進むロードムービー。

お金がないからガソリンスタンドを襲ったり、
銀行強盗をしたり、
盗んだマフィアのベンツから出てきた100万マルクも加わって旅は進んでいく。

旅の途中で決めたそれぞれのやりたいこと
「一度に2人の女と寝ること」
「母親にプレスリーと同じキャデラックを贈ること」
も旅の目的に追加し、
2人は絆を深めながら海を目指す。

誰にでもピンとくる映画があると思う。
自分の場合はこの映画がまさにそれだった。

約90分と言う決して長くない尺の中に、
喜怒哀楽の感情をグワングワンと揺さぶられる要素が濃厚に詰め込まれているのだ。

2人を追うマフィアのとぼけたキャラクターや
死を恐れぬ2人の行動にニヤリと笑わせられ、
映画が進むにつれて急速に強まる2人の絆に感動させられ、
その底知れぬ愛情の深さに涙を誘われる。

クライム・ムービーであるにも関わらず、
作中での彼らは誰が見ても正義の味方であり、
夢に向かって突き進むピッカピカの主人公なのだ。

そう、何よりもこの映画の最大の魅力は
「とにかくかっこいい」ということ。

葉巻を加えるシーン
その葉巻を少女に渡すシーン
とうもろこし畑でのカーチェイス
そしてもちろんラストの2人の背中

ここでは挙げきれないほど、
胸が締め付けられるほど「かっこいい」シーンが山盛りなのだ。

映画とはこうであってほしい。
画面に映るスターには惚れ惚れするほどカッコよくあってほしい。
その姿に憧れたくて、映画を観るのだと思う。

最高に笑えて
最高に感動させれる
最高にかっこいい映画

あと1000回は観よう。
haru

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