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横道世之介のsoのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
3.5
記憶の中のある人のことを思い出すとつい笑ってしまう、
そんな風に笑われる人っていうのは、幸せな人なんだなぁと、この映画を観てしみじみ思った。

もし自分が大学生の頃に横道世之介に出会っていたら、絶対疎ましく思い、拒絶していたはずだ。全ての言葉を率直に受け取り、遠慮というものを知らず人との距離を持たない彼を、見下すことさえしたかもしれない。
映画の中で唯一初めのうち世之介を拒否していた加藤が彼に心を開いていく過程をみていると、彼と出会い彼を受け入れて共に時間を過ごした人たちがとても幸せにみえてくる。世之介の人柄は交流する人たちに伝播し、彼らにきっと少なからず「世之介のように生きよう」と思わせたはずだ。最後の母親の言葉からも、そんなことを思ってしまう。

はじめこそ高良健吾のそのあまりにも現代っ子的な顔立ちと髪型や、吉高由里子のお嬢様口調に違和感があったものの、80年代のこの年頃の男女の感情の機微がよく表現されていて(想像でしかないけど)、2時間40分という短くない時間があっという間だった。
あと、大学デビューに張り切るウザキャラを池松壮亮が好演。
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