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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒の群青のレビュー・感想・評価

4.2
ガメラとギャオスが東京に降り立った日、多くの人が亡くなった。その中に両親を失った女の子がいた…


劇場でも鑑賞し、地上波放送でも何度も鑑賞。
1,2と違うのは怪獣によって人生をめちゃくちゃにされた被害者側の視点が描かれているところ。

登場怪獣
ガメラ
イリス

ガメラは今作2種類の姿を表す。通常の姿と主人公綾奈(前田愛)の夢に一瞬出てくる鬼の形相のガメラだ。個人的にはこの夢ガメラが一番かっこいい。が、あまりにも禍々しいので一瞬しか出ない。通常の姿も2からさらに鋭くなり、これは最早敵の怪獣と変わらないんじゃないんかなと思うほど。
そう。今回のガメラは大虐殺をするシーンがありそれが結構強烈なのだ。だが同時にこういう場合もたくさんあったということ。それを見せつける。絶望感があって他の作品にない。良い。

敵となるイリスはガメラと対照的。月を背に雲を突き抜けて飛翔するシーンは今見ても遜色ないCGで描かれており美しいの一言。同時にイリスが行うこともまた怖いことでサブタイトルの邪神の名を欲しいままにしている。美しい=畏敬=恐怖という図式が成り立っている。
飛翔シーンから続く自衛隊との空中戦は2の特撮に負けじ劣らずかっこいいシーンです。ガメラ乱入、ウミガメ飛行からイリスに突っ込みそのまま回転飛行にシフトして攻撃する。
怪獣映画でこんなにかっこいい空中戦が見られるとはと思うほど。めちゃくちゃかっこいい。


テーマは被害者側を描くので当然重い。そこにガメラと地球の関係、ガメラとギャオスの関係、地球にあるマナというエネルギーなどオカルト要素が乗っかりそれが綺麗さっぱり分からないまま終わるので、一度観ても、うん?と思うかもしれない。
ラストなどまだまだ続編がありそうな雰囲気がたっぷりなのだが興行収入が目標に達しなかったためこれで終わってしまった。しかし当時そんな事情を知らないまま観た自分は特にそんなこと思わず、ガメラに希望を残す形で終わっているため完璧な最後だと思いました笑 この感想は今でも変わらない。

ガメラが炎に包まれた京都で空中を見つめる。かっこいい画面で終わるんです。完璧ですよこれは。

そして一番書きたかったのはエンディングの曲。個人的に特撮全ての作品の中で一番好きな曲。切なさもありながら希望もあるような不思議な曲で、作品との雰囲気もぴったり。じんわりでした余韻に浸れます。
2と同じくらい好きで特別な作品。

あ、因みに無名時代の仲間由紀恵が出ています。無残にもミイラになる役です笑
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