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ジャズ・シンガーのmichiのレビュー・感想・評価

ジャズ・シンガー(1927年製作の映画)
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セリフがある最初の長編映画としての歴史的価値があるというだけでなく、最後までジェイキーの決断を見届けたくなる目が離せない作品でした。
(でも、こんなこと言ったら元も子もないけれど、ものすごーく悩んだ割に結局その決断も許されるのか、と少し腑抜けな感じがしないでもない…)
パートトーキーですが、思ったよりも歌がたくさん聴けて楽しかった。

ユダヤ教の司祭長で保守的な父親は息子ジェイキーは教会音楽家として継ぐものだと決め込んでいる一方、ジェイキーは世俗的な歌に才能を開花させ違う道に進もうとする。親子のすれ違い、伝統を守る人たちの価値観や息苦しさ、それでも消えない親子愛。テーマは普遍的で重い。
大人になったジェイキーが結構老けてるのにマザコンぽくて正直ちょっと気持ち悪いぞ…と思ったが、歌は素晴らしかった。最後の二曲はいろんな思いがこもっていてグッとくる。

ヒロインは悩むジェイキーをさらに悩ますようなことしか言わなくてうざいのですが、この方が超絶きれい。『ベン・ハー』の恋人役だった人。

聞こえてきた最初のセリフが「待ってくれ、お楽しみはこれからだ!」だったなんて、粋ですね。そう訳してくれた方もすごい。
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