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スパニッシュ・プリズナーのotomisanのレビュー・感想・評価

スパニッシュ・プリズナー(1997年製作の映画)
3.7
 金儲けの方程式は誰のものか?会社の仕事で編み出したものなら著作権は会社のものになるが、発明の当人も相応の分け前がもらえる。はずなんだが、社長がこれをケチると人を騙すわ殺すわの騒ぎになって、発明者に濡れ衣を着せるのにどれだけ金を掛けたやら。十重二十重の騙しと翻弄の浴びせ倒しにうんざり気味なんだが、敵の本気度が分かろうというもの。そんなに儲かるのか?
 そういえばこの年、金融工学の専門家がノーベル賞を受けたりして、大金持ちの銭狂いにハッパをかける事にノーベル賞が尻押しするのかと白眼視されたものだが、金儲けの方程式の先生自身がこののち大自爆を2度もやっているので一体どんなもんだかな。ともあれ、こんな事からコンピューターの取引が広がっていくのでえらい事には違いない。
 大金掛けてもぎ取ろうとした方程式と発明手記。ふと古い映画「マルホランド・ラン」を思い出してしまった。バンドマンらが楽曲の権利の売り渡しで意見が割れて崩壊、主人公はヤケ半分、伝説の王者にマルホランド・ドライブウェイで一騎討に臨む。サイドストーリー的だけど音楽も「業界」まで昇ると狡すっからくなるものだと呆れたもんだ。ご同様、こちらも後のオチを知ってるもんで、迎えた団円がいびつに見えて消沈。
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