踊る猫

シザーハンズの踊る猫のレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
4.0
ティム・バートンによる初期の逸品。それまで「城」で暮らしていた、両手がハサミである人造人間が人間社会に溶け込みそして手酷い傷を負ってしまってしまうまでが、ティム・バートンらしく音楽を多用しながら語られていく。後のティム・バートン作品に見られるような、ファンタジックな要素と現実を微妙な匙加減で混ぜたようなところが興味深い。予算の都合だろうか結構安上がりに出来ている感はあるものの、それでも描かれようとしているメッセージは伝わって来る。それはフリークスと人間は共存出来るかという。言葉にしてしまうと陳腐に過ぎる類のものであるだろう。そんな陳腐なメッセージが、ジョニー・デップ演じるシザーハンズのセンシティヴな佇まいと相俟って説得力のあるものとして迫って来る。流石に古めかしい部分はないではないが、十二分に楽しめた。
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