Jaya

朧夜の女のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

朧夜の女(1936年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

童貞学生誠一が女給の照子を落とし子ができたので伯父が自分の子にしようとして死ぬお話。「とおさん」「かあさん」はどういう呼び方だったのだろう?

ところどころに遊び心のあるカメラワークが楽しかったですが、軒並みの大根芝居。セリフが棒読みなのに加えて、全員噺家みたいな身振り手振り。宗旨を喧しい法華にした意味とは…。

照子と誠一のやりとりといい、バカ親気味の親バカお徳といい、現在も丸っきり通用する様相。おきよが褒め称えられるのはさすがに時代を感じるでしょうか。子がないのが伏線ではありますが。

講釈場や病室など、当時の様子がはっきり分かるのは楽しい。というか、そこで戦前の話だと思い出すようですらあります。脚本上の都合で照子に死んでもらう三文芝居ぶりには呆れましたが。

明治文学みたいな能天気なメロドラマで現在にも通じるとは思いましたが、古今いくらでもありそうな話だとしか感じなかった映画でした。
Jaya

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