滝和也

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃の滝和也のレビュー・感想・評価

4.0
闇に向かいし、
アナキンの物語…。
陰謀の影は更に濃く、
ジェダイの騎士を
絡め取る…。
偶然の悲劇とそれが
重なるとき、闇の
萌芽は始まる…。

愛は罪なのか、愛深きものにこそ、喜びと悲しみは表裏一体となり、光と闇が同居する…。

アナキンの章、第二作。正に闇が立ち上がる…。ルークが光に向かうなら、アナキンは闇に向かう。そうアナキンの話の方が遥かに難しい。単純な話ではない訳です。主人公が…になるのは。膨大な積み重ねが必要であり、そのためのエピソード2と言っても構わない。でもこれはスターウォーズ。新しいものを提供するため、本当に労苦を惜しまず、見応えを与え、暗くなる話を楽しんでもらうため、考えられてます。そこを評価するべきかな(^^)

そしてルーカスの構成力を讃えたいですよ。クローン戦争って…どうしたら繋がるのって思ってましたから。この言葉しか無かった訳ですから。そこからこう繋げてくるかと…。しかもボバ・フェットを絡めてくるとは…。

そもそも軍を持たず、民主主義国家である国家がどうして帝国になるのか。その答えありきの話を強引ながらも、緻密に組み上げていく訳です。なるほどと。民主主義が独裁政治に変わるときとは…衆愚政治に陥る弱点から、独裁者の専横を許す…それはローマの歴史が物語るように。そこに政治劇、陰謀劇の原点を見る気がします(^^)

またパドメ=アミダラ姫の魅力、光がアナキンを照らし影を作るかの様な深すぎる愛をここで描く必要がある訳ですよ。アナキンの一方的で純粋な愛は、偶然の悲劇と必然の危機から、同情そして二人の愛に昇華して行きます。ただ恋愛シーンは時として冗長に且つ軽薄になりがちなので…。しかも中盤はコメディリリーフがいない…。ジャー・ジャーの場面は減らされましたからね…。

ただこの後、アナキンが初めて闇落ちした辺りからテンポが一気に回復し、ラストへ向かうのは流石スターウォーズです。3POとR2のコンビが結成され、コメディリリーフに復帰、画面に楽しさをもたらしてくれますし(^^)。

ここで特筆すべきはドゥークー伯爵とヨーダでしょうね。ドゥークー伯爵が今一の方もいるかもしれませんが、やはり素面でシスを演じられるのは、ドラキュラ・リー、黄金銃を持つ男しかいません(^^) はねっかえりの若僧と実力者をものともしない、このお年であの迫力と殺陣を見せてくれる方はいませんよ。ヨーダとの対決は正にフォースを極めしものの戦い。デジタル技術の粋を集めたヨーダとのライトセーバー戦は素晴らしいに尽きます。

ラストに向けて、2人が捕まる→3人が奮闘する→ジェダイ大量登場→ヨーダ率いるクローン登場→ドゥークーvsアナキン・オビ=ワン→ドゥークーvsヨーダと矢印はピンチとして何段構えだと言う盛り上げは見応えありですし評価すべきポイントですよ(^^)

確かに反抗期を迎えたかの様なアナキン、活躍が今一な過保護なオビ=ワンは気になりますが、全ては前フリと考えて見ると納得ですし、敢えてラズベリーがどうした!と言う視点で見て楽しむのもあり!なんじゃないでしょうか(^^)
滝和也

滝和也