前半の訓練編と後半のベトナム編でパートがハッキリと分かれている。
まずは何と言っても前半のリー・アーメイ演じるハートマン軍曹の語彙力!
よくそんなに細かいところまで卑猥な言葉を使い切れるなあと感心してしまう(笑)
翻訳を担当した人もどう訳せばいいか、悩んだだろうなぁ。
元々は演技指導に来たのに、キューブリックに気に入られてそのまま役者として出演したのも納得。
後半は一転ベトナムでの話になるが、改めて観るとテト攻勢だったんだと今更気が付く。ベトナム戦争モノはジャングル戦が多いけど、市街戦メインなのは珍しい。
狙撃兵の下りは、たった1発の銃弾に対して、海兵隊が無数の銃弾を撃ち込み、ロケット砲まで打ち込んだ挙げ句、強大な敵勢力がいるという理由で戦車の要請。
それでもなかなか敵を排除出来ない戦闘こそが、正にベトナム戦争の縮図。
しかもその狙撃兵も正規兵でもないどころか、まさかの…という皮肉。
「狙撃兵には狙撃兵を」という戦術がある。微笑みデブがいれば、すぐに敵を倒せたかもしれないのに。
でも最後の狙撃兵は微笑みデブのメタファーでもあるのかなと少し思った。
劇中歌として使用されてるThe TrashmenのSurfin' Bird。小学生当時、劇場で観た自分はこのパンキッシュな曲にハートを射ぬかれた。
しかし当時は調べる手立てもなく、あのカッコいい曲は一体何だったんだろうとずっと思っていたけど、すぐに何でも調べられる今の時代に感謝。