この映画を観て思ったのは、原作者のパトリシアハイスミスって結構やばいのではないかと
同性愛が精神病とみなされていた時代の中で、社会に適合できない人間がどんどん思考を極端な方向へ持っていってしまう話
ここで描かれる同性愛的なものというのは、今の時代のようなアイデンティティと肯定的に結びつくものではなく、社会のレールから外れていくことを決定的にする、スティグマのようなもの
それは、小説版太陽がいっぱいにも通じる描写だと思う
ヒッチコックはめまいをはじめ、そのジェンダー表象にかなり問題がある監督として知られているが、この作品においてはホモソーシャル的なものと地続きな、同性への同一化の欲望が描かれているので、まだましかなと
つまり、女性と上手く向き合うことができず(それは母との密着した関係ゆえだが)、社会に馴染めない男を通して、男性の生きづらさについて考えさせられるような物語にも読めるということですね
映画におけるジェンダー表象について考える時には外せない作品だなと思いました